1.一般質問
③待機児童の解消について
質問者:中野郁吾
3項目めは、待機児童の解消についてです。
 厚生労働省は本年9月1日、希望しても保育所などに入れない待機児童が4月1日時点で前年比2,528人増の2万6,081人になったと発表しました。子供を預けて働きたい人が増えた上に、都市部での施設整備が遅れたことが影響したとのことです。
 政府は待機児童を2020年度末までにゼロにする目標を掲げていますが、国と自治体が少子化への対策を進めた結果、定員数は前年より約10万人増え、施設を整備するほど入所の申込者も増え、待機児童が増える形です。
 政府は今年度末としていた待機児童ゼロの目標を3年先送りするとともに、2022年度末までに32万人分の保育の受け皿を整備する新計画を立てました。本県においても待機児童の解消に向け、さまざまな取組を行っており、昨年度も新たに導入された企業主導型保育所等も含め、4,807人の定員を増やしました。しかしながら、待機児童の数は1,572人に上り、前年度から522人の増で、3年連続の増加となっております。
 言うまでもなく、出生数は増加していませんが、共働き世帯の増加によるものであると考えられ、特に明石市や西宮市などの都市部では市町の子育て政策の取組により、流入数も増えていることも影響していると思います。
 今後更なる女性の就業を促進させ、安心して子供を産み・育てることができる社会を形成するためには、待機児童の解消はなし遂げなければなりません。
 今年度は、ひょうご子ども・子育て未来プランの教育・保育等の需要計画を、各市町とともに中間見直しをすることを予定しており、現在その作業を進めているさなかかと思いますが、待機児童解消は待ったなしで進めていかなければならないと考えます。ついてはご所見をお伺いいたします。
答弁者:福祉部長
待機児童の解消についてでございます。
 昨年度、保育定員を約4,800人拡大したにもかかわらず、待機児童の増加したことにつきましては、子育てしながら働きたい女性が非常に多く、新たな女性の社会進出を定員拡大分確保できた一方で、社会進出を希望する方全てには応え切れておりません。できるだけ早く希望を実現できるよう、定員拡大の努力を重ねることが必要であると考えております。
 本年度は、保育所等の整備によりまして、3,500人の定員拡大を見込んでおりますが、待機児童の多い都市部でも、開設が容易な小規模保育所や従業員のニーズに応じて、柔軟に保育サービスを提供できる企業主導型保育事業など、多様な保育の受け皿の活用にも進めますほか、待機児童が大幅に増加いたしました市町を中心に、個別にヒアリングを行いまして、定員拡大の上乗せを図ってまいります。
 さらに、今回補正予算として提案いたしております緊急に措置すべき事業で、都市部において賃貸物件を活用いたしました保育所等の新増設を支援するための賃料補助や既存施設を活用して定員拡大を行う保育所に対する設備充実の支援を創設いたしまして、機動的な保育定員の拡大を後押ししてまいります。
 また、定員拡大に伴いまして必要となる保育人材の確保におきまして、今回新たに保育士修学資金貸付の対象者を県外在住者まで拡大するほか、保育士の処遇改善を着実に進め、保育士・保育所支援センターによる就職フェアの開催や就職準備金の貸付等を行ってまいります。
 今後は、本年度予定いたしております子ども・子育て支援事業計画の中間見直しにより、保育のニーズを的確に把握いたしまして、関係者と協議を重ねながら、待機児童解消に積極的に取り組むことによりまして、女性の社会進出の促進と子育て環境の整備を推進してまいります。
質問者:中野郁吾
保育の受け皿の整備についても、待機児童が増加してるということは、これは女性の社会参加が進んでいるということの表れでありますので、まだまだ望まれている状況がたくさんあるということですので、女性の活躍を促すためにも、安心・安全な保育環境の整備、更に進めていただければと思います。