1.一般質問
②女性が活躍する社会に向けた取組について
質問者:中野郁吾
2項目めの質問は、女性が活躍する社会に向けた取組についてです。
 昨年9月の定例会の一般質問で、本県の女性の就業率が全国的に低い状況から、女性の就業促進についてお伺いしましたが、そのとき、知事のご答弁で、女性の就業率の低さの要因については関西地域が押しなべて低い状況にあり、はっきりとした要因は分からないが、まだ女性は仕事と家庭との役割分担意識が強いのかもしれない。平成28年度、女性の就業を取り巻く環境、意識等について、調査・分析し、それに応じた対策を行うとのことでした。
 先月、本県が作成した男女共同参画社会づくりの総合的推進の調査の中で、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるとの考え方に賛成の割合は、全国で44.6%であることに比べ、本県は54.9%と10%以上高くなっていました。また、その考え方について本県での男女別に見てみますと、女性は54.6%が賛成で、男性は59.3%が賛成と、性別の役割分担意識が高い状況であります。さらにその考え方を子育て世代と大学生で比べてみますと、子育て世代よりも大学生の方が、夫は仕事、妻は家庭、生活に困らなければ女性は働かなくても良いと考える傾向にあり、夫は仕事、妻は家庭という考えは、ただ単純に古い考えというわけではないようです。
 一方で、その調査の中で現在働いていない女性にその理由を問うと、最も多かったのは、家事・育児に専念したいからという項目に当てはまると答えた人が46.3%で、次いで家事・育児・介護等との両立に自信がないからという項目に当てはまると答えた方が40.5%と仕事よりも家庭を優先したいという意識が高いようです。逆に、その問いの中で、配偶者や家族の理解が得られないからと答えた方は9.4%で、低い傾向にあります。
 このことから、兵庫県の女性の就業率が低く、平成27年はワースト3位であることは、家庭を大事にしたいという兵庫県民の県民性の表れかもしれません。この調査において女性が今後、就業可能となる条件として、アルバイトやパートなど労働時間が比較的短い仕事があることと答えた方が最も多く65.0%を占め、他の、配偶者や家族の理解や家事の協力が得られることや、保育所・学童保育など子供を見てもらう環境が整うことに比べ、2倍近くの差を開けている回答がされています。少子・高齢化、人口減少が進む中において、活力を維持するためには積極的な女性の就業促進は欠かすことができませんが、一方で、家庭を大事にしたいという県民性を理解した上で、女性が活躍できるような社会を構築していかなければなりません。
 本県では、女性活躍推進センターを設置して、女性の活躍推進について県内企業への機運醸成やキャリアアップを目指す女性の支援などを行っていますが、今回の調査結果をどのように分析し、今後どのような対策を講じようとされているのか、お伺いします。
答弁者:理事(地域創生・女性担当)
女性が活躍する社会に向けた取組についてお答えします。
 第3次兵庫県男女共同参画計画では、全ての女性の活躍を重点目標の一つに掲げ、職業生活はもとより、専業主婦として家事や育児に専念するという選択も尊重し、全ての女性の活躍を推進していくこととしております。
 ご指摘の県の調査におきましても、仕事よりも家庭を優先したい女性が概ね半数に達する一方、現在、働いていない女性でも、7割が就業を希望し、うちパート・アルバイトによる働き方を希望する人が3分の2を占めております。このことから、女性の多様な考え方やライフステージに応じた働き方を支援していく必要があると考えております。
 本県では、働く女性に対しては女性活躍推進センター等による企業への女性登用や、子育てしやすい環境、職場環境整備の働きかけ、在宅で子育てをしたい女性に対しましては、まちの子育てひろばなど、親と子が気軽に集い、悩みを相談できる居場所づくりや、保育園や幼稚園等で親教育、遊び指導等を行う乳幼児子育て応援事業などの環境整備、離職後に再就職を希望する女性に対しましては、県立男女共同参画センターに設置する女性就業相談室における再就職、起業等のワンストップ支援等を更に充実してまいります。
 また、今年度新たに女子大学生を対象としたキャリア形成支援事業を実施いたしまして、働くことの意義や就職後のキャリアデザインに加え、家庭との両立を含めたライフプランを考える機会を提供することとしております。
 今後も引き続き女性が活躍する社会づくりのための環境整備のあり方研究会におきまして、今年度末まで、更なる分析を進めますとともに、女性の多様な働き方、生き方を提案するなど、施策の検討に努め、全ての女性が多様なライフスタイルの中で個性と能力を発揮できるよう取り組んでまいります。ご指導よろしくお願いいたします。
質問者:中野郁吾
県民性として家庭を大事にしたいというところというのは、僕も共感するところであって、私の妻も手に職はあるのですけれども、今現在、今月4歳になる子供と1歳8ヵ月になる子供がいて、子育てに専念していており、やっぱり子育てを非常に、僕が見るには、楽しんでいるように思います。
 子育てというところも重要な活躍の場であると思いますし、少子化の中で子育てを大事にするというのは、僕も非常に大事なことだと思っています。
 けども、これから人口減少が進んでいく中で、経済の担い手の確保ということも非常に大事なところでありますので、その子育てと仕事を両立するというバランスをとりやすいような取組を引き続きしっかりとしていただきたいと思います。