1.一般質問
①人口対策について
(3)転出入の推移からみる人口増対策について
質問者:中野郁吾
同じ項の3問目は、転出入の推移から見る人口増対策についてです。
 本県の人口の社会減については、平成28年の減少率でいうと0.12%で全国31位でありますが、減少数でいうと6,760人と全国3位の流出数になっています。平成27年の減少数が7,409人であり、28年の減少幅は一定改善しており、歯止めが掛かったかのように見えますが、まだまだその数は多いため、現在県内の大学にとどまらず、東京の大学との就職支援協定を結ぶなどして、県内での就職を促す取組や、第二新卒対策、そして東京と神戸へのカムバックひょうごセンターの設置などの対策を行っておられますが、更なる流出対策が必要であると考えます。一方、昨年の本県の転入状況を見てみますと、幾つかの特徴があります。まず、年代別では、言うまでもなく20代の転出超過は圧倒的に多いのですが、0歳から9歳は593人の転入超過です。0歳から9歳までの人が自分の意思で兵庫県を選んで来ているとは思えませんので、考えられるとすれば、子育て世帯として転入してきているのであろうかと思います。それを地域別で見ますと、総じて転入超過になっている明石市、加東市、西宮市、宝塚市、猪名川町、神戸市灘区等では若年の転入超過とともに、子育て世代も転入超過である傾向にあります。このことから本県は子育て世代に選ばれる特徴があり、その子育て世代の支援に力点を置くと、更に転入を促進させることにつながるのではないかと考えます。
 次に、本県より西側の中国、四国、九州・沖縄からの転入は超過しており、その中でも特に、男女別に分けてみると、転入超過の数は中国地方の男性が12人に比べ、女性が936人。四国地方の男性が291人に比べ、女性が759人。九州・沖縄地方の男性が165人に比べ、女性が554人であり、それらの地域からは毎年、転入超過傾向ではありますが、特に女性は転入の増加傾向があります。理由は分かりませんが、西日本の女性に本県は人気があるのかもしれません。このことから、本県の人口の社会増対策は20代の転出を大幅に抑制し、また一部転入超過傾向にある子育て世代への支援を広げ、このような世代をどのようにして呼び込み、そして、増加傾向にある西日本からの転入者数を更に増やすために、兵庫の良さや魅力の発信を強化していくことが鍵であると考えます。
 そこで、まだまだ転出超過数が多い本県として、転入出者の傾向をどのように分析し、今後対策として、どのような施策展開をしていくのかお伺いいたします。
答弁者:井戸知事
維新の会の中野郁吾議員のご質問にお答えします。
 私から転出入の推移から見る人口増対策についてお答えします。
 平成28年の社会増減は6,760人の転出超過となりました。しかし、5年ぶりに、わずかではありますけれども、改善しております。27年は7,409人でありましたので、約700人の改善が見られたということでございます。しかし、その大半を占める20代の転出超過は拡大、片方でしております。
 西日本から20歳代の女性の転入超過が増加していますが、男女を問わず20歳代の東京圏への転出超過が著しく、西日本からの転入超過をはるかに上回っております。
 このような状況から、社会増対策については20歳代の若者の転出超過の抑制の取組を強化しています。県内企業の積極的なPRや、企業説明会を行うことに加えまして、県内・東京の大学での学生と企業とのマッチングなどにより、若者の県内就職を促しています。また、東京と神戸のカムバックひょうごセンターが関係機関と連携しながら、第二新卒者等のUJIターンを促進しています。
 一方、子供の状況ですけれども、ご指摘にありましたように、転入超過になっています。これも子育て中の世代、家族の転入が多いことを示しているということだと思います。引き続き、多子世帯への支援や、待機児童の解消など、子育て環境の整備に積極的に取り組んでまいります。
 今回の補正予算でも、保育所等の新増設、保育人材の確保対策などを強化しております。
 また、西日本からの転入拡大でありますが、大学卒業の、兵庫で就職する女性が多いことが理由の一つでありますが、そのために、進学・就職を予定している西日本の若い女性等を対象に、県内大学や若い女性に魅力のある県内企業の情報をSNSやマスメディア、紙媒体などを活用しながら、周知徹底を図ってまいります。
 今後とも、若者や子育て世代等、ターゲットを明確にした対策を展開してまいります。
 いずれにしても兵庫の魅力を発信することで、県内の定着と県外からの流入を促進してまいります。今後とも、ご指導よろしくお願いいたします。
質問者:中野郁吾
知事もよくしたたかにとおっしゃってますので、東京から、もちろん若者を取り戻すということ、出ていくことを抑制するということなんですけども、西日本からの転入者は増加傾向にありますから、何かしら兵庫県に魅力をたくさん感じてくれる方がいらっしゃいますので、引き続き、東京から本当は取ってこないと、地方で取り合いしてても意味がないということもあるかもしれないんですけれども、本県のことを考えますと、その西日本からの転入者増加の可能性を更に引き出していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。