1.一般質問
①人口対策について
(1)若者の経済的安定の確保について
質問者:中野郁吾
おはようございます。維新の会の中野郁吾です。
 早速ですが、通告に基づき、4項目6問、分割方式で質問を行います。
 まず、1項目め、人口対策についての質問です。
 若者の経済的安定の確保についてお伺いします。
 これまで少子化を食い止めなければならないという議論はさまざまな角度から幾度となく繰り返されてきており、本県のみならず、我が国においての深刻な問題であることは言うまでもありません。
 我が国では、出生する子供の約98%が婚姻関係にある男女の嫡出子であることから、結婚年齢や生涯未婚率の上昇が、出生数に一定の影響を与えていると考えられますが、生涯未婚率は増加の一途をたどっています。
 本県の未婚率は、男性が昭和55年に2.60%であったのが、平成27年では20.53%まで上昇しており、女性は昭和55年に4.70%であったのが、平成27年では14.26%と上昇しており、特に男性の未婚率が高い状況です。
 その一方で、平成27年の第15回出生動向基本調査では、18歳から34歳の未婚者の男性が85.7%、女性が89.3%と、圧倒的多数の人がいずれ結婚するつもりであると答えています。また、結婚を実現できない理由として、約4割以上が資金が足りないと答えています。
 さらに、平成27年版厚生労働白書にある、結婚に関して正規雇用者と非正規雇用者の意識調査によりますと、30代前半の独身男性が結婚について不安に思うことでは、非正規労働者のうち63.1%が、経済的に十分な生活ができるかどうかと回答し、次いで多かったのが、雇用が安定していないであります。そして、雇用形態別に見た男性の有配偶率の比較では、非正規労働者の有配偶率は正規労働者の半数以下の割合となっています。
 総務省の労働力調査によれば、非正規労働者の数は2016年平均で2,016万人であり、全雇用者に占める割合は37.5%と年々増加している状況です。そのことから未婚率が高くなっていることは、いわゆる草食化が進んでいるのではなく、結婚したいのにできない不本意未婚者が増加しているのであると考えます。
 また、さきの基本調査で、夫婦が望む理想的な子供の数は2.32人であり、結婚意思のある未婚者が希望する子供の数の平均値は、未婚女性で2.02人、未婚男性で1.91人となっており、既婚・未婚で差が出ていますが、できれば子供を2人くらいは欲しいという傾向があると考えます。
 以上の調査結果から、多くの若者が結婚と出産を実現できるようにするためには、結婚して家庭を持ちたいと願う男女が安心して将来へ希望を持てるような若者の経済的安定の確保に努めていかなければなりません。本県では、賃金などの処遇改善に向けた正社員転換・処遇改善支援や非正規雇用労働者のキャリアアップ支援などに取り組んでおられますが、以上の調査結果から、まだまだ対策が不十分であり、強化すべきではないかと思います。これらの支援実績・効果を踏まえて、今後、若者の経済的安定の確保のためにどのような就業支援を行っていくのかお伺いします。
答弁者:産業労働部長
人口対策のうち、若者の経済的安定の確保についてでありますが、地域創生を進めるには、人口対策、特に自然増対策が必要であります。その前提となる婚姻率向上のためには、非正規雇用の若者の経済的安定が必要であると認識しております。
 例えば、30代前半男性の非正規社員では、月額賃金は正社員の約4分の3にとどまり、配偶者がいる割合は正社員の約半分となっております。
 非正規社員の正社員への転換につきましては、兵庫労働局と連携して取り組んでおりまして、国は企業が非正規社員を正社員化した場合、一人当たり57万円をベースとする助成金を支給しております。県は、一定の技能を身に付けることで、正規雇用につなげるため、若者の技能検定受験料の2分の1を県が負担する支援を今年10月から実施してまいります。
 若者の経済的安定に最も寄与するのは、賃金の引き上げでありますが、賃金は労使間で自主的に決定することが前提でありますため、地方公共団体の取組は難しいものがあります。
 若者のUJIターン対策として実施しております企業とタイアップした奨学金返済支援事業は見方を変えれば、若者の経済的負担の軽減になると考えております。
 景気拡大の実感はないとされるものの、経済指標の多くは改善傾向にあります。国は、過去最高水準の企業収益を賃金引き上げに確実につなげ、消費の拡大から経済の好循環を生み出そうとしております。こうした国の動向を見守りつつ、県としても若者の経済的安定に向けて留意いたしますとともに、出会いの機会創出にもつながりますワーク・ライフ・バランスの取組を引き続き進めていく所存でございます。
質問者:中野郁吾
若者の経済的安定については、労使間の決定でということで、金額については、もちろん行政が介入できないということではありますが、雰囲気として、上がっていくような取組を行っていただきたいということと、あと昨年度の県民意識調査の中でも、少子化の主な原因はと尋ねると、やっぱり生活費や教育費など、経済的な不安と答えておられる方が一番多かったので、この部分に取り組むことによって、少子化というのはかなり改善されるのではないかと考えていますので、よろしくお願いいたします。