1.一般質問
③青少年のネット依存をはじめとするネットトラブル防止について
質問者:中野郁吾
では、次の質問に移ります。
 三つ目、青少年のネット依存をはじめとするネットトラブル防止についてお伺いいたします。
 スマートフォンの普及により、携帯電話は、ただ通話やメールをするものではなく、ちょっとしたパソコンの機能を持ち、使用者によっては、その機能により、多くの情報を瞬時に手の中に収め、日々の生活の利便性向上に役立てています。
 そして、今やスマートフォンを持つ子供も多く、一昔前は分からないことがあれば、辞書を引いたり、図鑑を調べたりしていましたが、現在の子供たちは、その手のひらサイズのスマートフォンからインターネットを通じて、国内外さまざまなところにつながり、瞬時にさまざまな情報を手に入れ、それを活用することにより大きな可能性を見出していくことができるのではないかと考えます。
 内閣府の平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査によりますと、スマートフォンを所有する青少年の割合が増加しており、小学生では23.7%、中学生では45.8%、そして高校生では93.6%とかなり高く、総数では5年前の平成22年度に比べ35倍余り増加しているとのことです。
 このようなスマホの高い普及率を背景に、青少年を取り巻くネットやゲームに対する概念も大きな変化をしています。我々が幼いときは家庭用ゲーム機が主流でしたが、インターネットの普及に伴い、ゲーム機もインターネットに接続し、いつどこでもアクセスすれば、いろいろなゲームを楽しめるようになりました。
 特に、今年世界中で話題になったポケモンGOというスマホ向けのゲームアプリは、一時期爆発的なブームとなり、深夜にもかかわらず多くの若者がスマホを片手に町中を歩き回ったり、公園に集まったりする光景が多く見られ、騒ぎ声や多くの駐車車両が社会的問題にもなりました。
 このようなスマホゲームに熱中する子供のほか、最近では、友人とのコミュニケーション手段でSNSを利用する子供が多くなり、熱中することによりネット依存に陥るなどの問題が起きています。このようにスマートフォンは、さまざまな可能性を秘めている一方、利用方法を誤れば、今まで見当もつかなかった危険性が潜んでいると考えられます。
 ちなみに、先ほどの内閣府の調査結果では、インターネットの利用に関し、家庭での「ルールを決めている」と回答する者の割合が、青少年の実態と保護者の認識では20ポイントもの差があり、学校種が上がるほどギャップが大きくなっています。そこで注目したいのが、先月、4泊5日で行われた人とつながるオフラインキャンプという新たな取組です。
 自らネットをやめられないネット依存の青少年を対象にし、小学校5年生から高校2年生までの14人が、ネットを利用できない家島諸島の西島で昔ながらのキャンプをしながら、スマートフォンのある日常との違いを話し合うといった内容で、非常に好意的な報道がされていました。
 その新たな取組も含め、青少年のネット依存をはじめとするネットトラブルを防止するための取組を進めていくべきと考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。
答弁者:政策創生部長
青少年のネットトラブル防止と高齢者の消費者トラブルに関する質問についてお答えをいたします。
 まず、青少年のネット依存をはじめとするネットトラブル防止についてであります。
 スマートフォンの普及に伴い、青少年とインターネットがより身近になり、利便性が高まった反面、ネット依存に陥る危険性が増大しております。昨年、県が小5から高3までの青少年約3,000人を対象に実施した実態調査では、6.4%がネット依存傾向にあることが明らかになったところです。
 さらに、最近ではゲームに熱中するあまり、交通事故に結び付くなどの問題も発生しております。
 その対策には、青少年による自主的なルールづくりが有効なことから、今年4月に青少年愛護条例を改正し、青少年のネット利用に関する基準づくりを県内全ての人々で支援することとしており、県内全公立小学校を対象に、ルールづくりに向けた取組への助成を行うなど、対応の強化を図っているところです。
 これらの取組に加え、ネット依存の実態や危険性、対策を調査研究し、県民へ普及啓発するため、今年8月には、産官学民の協力のもと、自治体初となる人とつながるオフラインキャンプを県立いえしま自然体験センターで実施いたしました。14名の参加者は、5日間のキャンプを通じ、ネット以外の楽しみや人とつながることの大切さに気付いたなど、ネットとの向き合い方を見直すきっかけとなっていること、また、全国ニュースの特集など多様なメディアの報道による啓発と併せ、一定の成果があったと考えているところです。
 引き続き、11月にはフォローアップキャンプを開催し、ネットの使用時間の目標達成度や日常生活の変化などを確認していくこととしております。
 今後とも、事業者や警察、教育委員会など産官学民が連携して県民運動を展開し、3年目となる全県大会「スマホサミットinひょうご」などを通じて、青少年による主体的なルールづくりを社会全体で支援することにより、青少年のネットトラブル防止に努めてまいりたいと考えております。
質問者:中野郁吾
再質問ですが、オフラインキャンプのことで、全青少年に体験してもらうというのは大変難しいと思うんですけども、こういったスマホやネットがない時間を過ごして、立ち止まったり、使い方を見詰め直す機会と同時に、人と触れ合って、生のコミュニケーションをして、そういった能力を高めていく時間というのは必要だと考えています。
 質問の中で、先ほどちょっと触れたんですけれども、家庭でのインターネット利用のルールの認識というのが、すごい差があるようなんですけれども、僕もスマホ利用者でして、家でスマホをちょっと触っている時間というのがあるんですけれども、ちょっと知らず知らずの間に、子供がいる前でも触ってしまったり、熱中したりしているときがあるんで、なるべく気を付けるようにはしてるんですけれども。
 家庭でルールづくりとかしていく上で、親がネットにはまっていて、熱中してしまっているような機会が、ひょっとしたら多くあるかもしれませんので、もし家庭でというか、保護者や親に対する啓発や取組なんかがあれば、考えがあれば教えていただけますでしょうか。
答弁者:政策創生部長
再質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 今回、オフラインキャンプに参加した家庭では、そのオフラインキャンプから帰ってきた子供たちに、先ほど申し上げましたように、11月にフォローアップキャンプというのを開催する予定ではありますけれども、帰ってきてから、どのような変化があったかというようなことを、その親御さんを通じて、フォローアップというか、聞き取りをするようなこともしてきております。
 そういった中で、お子さんについて、一定の変化が見られたような声も聞いてはおるところなんですけれども、やはりそういった子供たちの状況を観察する中で、子供たちの親御さんたち自身も、子供たちの状況を詳しく見ていく中で、ご自身の行動といいますか、そういったものを振り返るというような効果も一定程度あったのではないかなというふうに考えております。
 なかなか、先生ご指摘のように、全ての方にこういったキャンプを体験していただくというのは難しいことかもしれませんけれども、こういった事例を多くの人が知っていただくことで、それぞれの家庭、あるいはそれぞれの青少年ですね、子供たちが自分を見詰め直すようなきっかけになっていただくことを期待しているところでございます。以上でございます。
質問者:中野郁吾
我々が小さい頃というのは、ネットやスマホというのが存在しなかったんですけど、こういった新たな技術の進歩というのは、僕、どんどん進歩していくべきだとは考えているんですけれども、これからスマホやネットだけじゃなくて、AR――拡張現実やVR――仮想現実といった市場も成長していくということですので、新たな技術の進歩によって、新たな問題点や課題も出てくると思いますので、的確で素早い対応を今後とも続けていただければと思います。