1.一般質問
④老朽化した砂防堰堤について
質問者:中野郁吾
 老朽化した砂防堰堤についてです。
 平成30年7月豪雨により、本県も多大な被害を受けましたが、広島県では特にひどく、広島県の坂町小屋浦地区では同地区を流れる天地川の上流にある、高さは約11メートル、幅は約50メートル、厚さ約2メートルの砂防堰堤が大量の土石流で被災し、堤体がほぼなくなっていたとのことでした。
 この砂防堰堤は戦後間もない昭和25年に石を積み上げて造られており、それまでに起こった土砂災害を受けて建設されたものです。3年前の定期検査では異常がなかったとのことでありますが、現在の設計基準は満たしていなかったとのことです。
 建設から既に70年以上が経過し、住民からは老朽化を懸念する声も浮上していたことから、広島県は新たに土石流発生時の土砂量を想定し、平成32年度までに今回被災した砂防堰堤の上流で、新たに1基造る計画をしていました。しかし、広島県によると、今回の土石流は同時に複数の谷筋から発生しており、土石流の量は想定を大きく上回っていたため、新設の砂防堰堤があっても、防げなかったかもしれないとのことでした。
 このように、砂防堰堤などのハード整備がなされたからといって完全に被害を防げる訳ではありません。ハード整備を行うことで、心理的不安の解消や軽減につなげることは大切ですが、ハード整備が地域住民の防災意識に対して油断を与えてはならないと思います。
 そこで、本県においても石積み等の古い工法などで強度の基準を満たさないものや、老朽化が進んでいる砂防堰堤がどれだけあり、改善のためにどのような対策をしようとしているのかお伺いいたします。併せて、ハード対策が進んでいても、想定を上回る土石流が発生する可能性があることなどを住民に意識づけるソフト対策はどのように進められているのかをお伺いします。
答弁者:県土整備部長
 老朽化した砂防堰堤についてお答えいたします。
 山地が県土の7割を占め、土砂災害の危険箇所が多い本県では、明治28年から砂防工事に取り組んでおります。現在までに3,400基を超える砂防堰堤を整備してまいりました。7月豪雨時にも、宍粟市の小野川で土石流を捕捉し、下流の障害者支援施設を守るなど、被害軽減に大きな対策を発揮しております。
 これら既設の堰堤のうち、広島県と同様の石積堰堤は115基あります。そのほとんどが戦前に造られたものでございます。国では、7月豪雨を受け、現在、学識経験者等による検証チームを立ち上げ、石積堰堤の改築・補強の考え方について検討を進めております。
 県といたしましては、考えが示され次第、人家への影響が大きい箇所など、優先度の高い箇所から順次、改築・補強を進めていくこととしてございます。
 また、老朽化対策については、ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画の中で、石積堰堤9基を含む99基を要対策と位置付け、これまで3基の対策を完了いたしております。
 今年度は、三田市の酒井堰堤など11基で堤体のクラック補修等を実施いたします。今後、35年度までに全箇所の対策を完了できるよう、計画的に取り組んでまいります。
 一方で、激甚化した豪雨災害が頻発している状況を踏まえますと、ハード対策の想定を上回る土石流が発生する可能性は十分ございます。このため、ハード対策が完了しても、土砂災害警戒区域、いわゆるイエロー区域でございますが、これを解除せず、ハザードマップ等において継続して危険性の周知を行っているところでございます。
 今後は、より一層想定外の危険性について、住民に意識付けるため、現在進めております土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッド区域でございますが、この指定の説明会や砂防堰堤の工事説明会等において、市町と連携し、丁寧に説明してまいります。
 今後とも、既存の堰堤の安全対策にも着実に取り組み、ハード・ソフト対策を組み合わせながら、土砂災害対策を推進してまいります。
質問者:中野郁吾
 砂防堰堤のことですけども、石積みの砂防堰堤が115基もあるということで、僕が想像していたよりもたくさんあります。砂防堰堤というのは、土石流を防ぐためにあって、今まで、かつてはその石積みのもので十分防げていたんだとは思うんです。昨今、災害の被害の規模が大きくなってきてるということで、古くもなってますし、もたない状況ではあると思います。そのもたない状況になった石積みの堰堤が崩れることによって、それまでため込んでいた土石流のパワーと、石積みの重みが加わって、更に大きな被害につながろうかと思いますので、できる限り、順次進めているとのことですけれども、早い対策をお願いしたいと思います。