1.一般質問
②県内中小企業の事業継続について
質問者:中野郁吾
 次に、県内中小企業の事業継続についてです。
 兵庫県では、平成27年度に中小企業の振興に関する条例を策定し、中小企業を支援しているところです。
 個々の施策におかれては、中小企業が持つ長所を浮き立たせ、新分野での技術の活用や、やる気を引き出す支援を実施されています。
 しかし、昨今の日本各地で発生する自然災害や事故、経営者の高齢化などに起因する後継者の不在など、経営者自らの意思に無関係にやってくる企業活動の停止が、今後多数発生してくるのではないかと危惧しています。
 このような状況への対処について、経営者は日々の経営で精いっぱいであり、なかなか気が回らないと思われ、このような部分に対するきめ細やかな支援は今後ますます必要になってくるのではないかと考えます。
 後継者不在により、高い技術力や競争力を持つ魅力的な製品の生産が停止してしまうような状況は、ものづくり産業を中心とした本県産業にとっては、本当に大きな痛手であると考えます。経営者の高齢化に伴う事業継承の準備は、目には見えませんが、目前に迫った喫緊の課題ではあります。
 また、災害などの緊急事態が発生したとき、企業が損害を最小限に抑え、事業活動を早く復旧・継続を図るために平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などの取り決めなどの計画、BCP――事業継続計画を策定する動きが広がっています。
 中核となる事業を早期に復旧し継続することで、企業を守り従業員の雇用を維持し、顧客や取引先からの信用を向上させ企業価値を高めることにもつながります。
 さらにBCPの策定・運用により、防災に係る融資や保険の優遇が受けられる場合もあります。しかし、民間銀行の調査では、中小企業はほとんど策定が進んでいないのが現状であるとお聞きしましたので、このような点についても支援・普及を図る必要があるのではないかと考えます。
 そこで、これまで述べてきたことを踏まえていただき、中小企業がその活動を中止せざるを得ない状況に陥らないために、県としてどのような支援、対策を考えておられるのかお伺いします。
答弁者:井戸知事
 県内中小企業の事業継続についてのお尋ねがありました。
 県内事業所の99%が中小企業です。中小企業の経営安定なくして地域経済の安定や発展はあり得ません。このため、県としましては、中小企業のリスクへの備えについて、ひょうご産業活性化センターや県下の商工会議所、商工会、中小企業団体中央会等と連携して支援を行っています。
 まず、中長期的に事業継続リスクとなります事業承継。事業承継については、優れた技術力を持った中小企業が後継者難で廃業となってはなりませんが、これが全国的な課題ともなっています。
 そこで、今年度は兵庫県事業承継ネットワークをひょうご産業活性化センターに設置して、平成34年度までの5年間を集中実施期間として取り組んでおります。経営者の方々に現状に気付いてもらうことが不可欠ですので、今年度約2,000社の事業承継診断を実施しています。この結果も踏まえまして、個別の事業者への支援と展開してまいります。
 自然災害等の事業継続リスクに備えるために、ご指摘のBCPを策定してもらう必要があります。ただ、兵庫県内の策定企業は15.2%にとどまっております。全国平均よりは高いものの、大変な低水準だと考えられます。このため、県としましては、商工会議所、中央会等によるセミナーの開催や、個別企業のBCP策定に対しまして、専門家を派遣するなど、策定促進を図っています。これらの事業について、更に強化をしていきたいと考えています。
 阪神・淡路大震災を経験した本県です。BCPの策定率が全国平均を上回っているとはいえ、2割に満たない、これは大きな課題です。今年は、台風や地震により大きな被害が生じ、防災の必要性について再認識されている時期でもありますので、この機会を捉えて先手先手のリスクへの対応を中小企業中心に働き掛けていきたいと考えています。
質問者:中野郁吾
 BCPですけども、ただ策定しただけでは本当に何も意味がなくて、うまく運用できるように、しっかりと社員、企業の全体に落とし込むことが必要です。それをすることによって、例えば材料の調達先が新たに見つかるとか、材料の調達についての価格の適正化が図られたとかいう副次的なメリットもあるということですので、しっかり取り組んでもらいたい。あと、社員と一緒になってそのBCPを作り上げた企業は、自分の部署以外の、会社全体のことについて、自分事として考えるようになったりとか、防災とか減災についての関心が高まって、意識が高まっていったというようなことの、意識改革にもつながっているということなので、ぜひとも中小企業を中心にそういった対策を進めていただきたい。
 あと、阪神大震災の際に、災害復旧の貸し付け、中小企業高度化資金を貸し付けたと思うんですが、今定例会で債権放棄が2件、その中であったということで報告を受けています。時代の流れとか、経営努力の面もあろうかと思うんですが、同じように震災がきっかけで資金を借りて、その後立ち行かなくなるような企業はたくさんあると思います。今後も出てくる可能性はあろうかと思いますので、今後の災害等で県内の中小企業が同じようなことにならないように、BCPの策定の支援、しっかりとお願いしたいと思います。
 では、次の質問に移ります。