6.総括審査
➇県民の安全・安心を高める暴力団対策について
質問者:中野郁吾
県民の安全・安心を高める暴力団対策についてである。
 これまでにも各会派から暴力団対策について質問をされているが、維新の会としても、現在の情勢を踏まえるとともに、県民の安全・安心を高める意味からも、当局の暴力団対策について伺いたいと思う。
 現在の暴力団に係る情勢は、国内最大の勢力である六代目山口組から分裂した神戸山口組、さらに、神戸山口組から内紛の状態にある任侠山口組、この3勢力の三つ巴の抗争状態ともいえる情勢と、県内に三つの勢力の事務所がある情勢、そして今年9月12日には、白昼堂々、神戸市長田区の住宅街において、任侠山口組関係者が拳銃使用により殺害される殺人事件の発生で、県民は大きな不安を抱いていると考える。
 西川本部長は、本年7月24日に着任されたが、着任会見時、暴力団対策について「組織を挙げて犯罪抑止に取り組む」など抱負を述べられ、一県民として私も大変心強く感じた。
 最近の報道でも本部長が述べられた抱負のとおり、暴力団員をさまざまな事件で逮捕したという記事が掲載されており、先日も、虚偽登記事件で神戸山口組の最高幹部らを県警が逮捕したとの記事を目にした。県警では、各種法令を駆使して暴力団員等を検挙し、組織の弱体化に向けた暴力団対策に総力を挙げて取り組まれているところである。
 また、暴力団排除運動の側面から見れば、暴力団追放兵庫県民センターが、住民が平穏に生活する人格権が侵害されているとして、神戸山口組の拠点事務所の使用禁止を求める仮処分を神戸地裁に申し立てたとも大きく報道されていた。まさしく警察と住民が一体となった暴力団対策によって、暴力団根絶に向けた機運の高まりであると考える。
 そのほかにも、歓楽街から暴力団一掃に向け、歓楽街特別暴力団対策隊を発足され、その運用により歓楽街の安全・安心を守る活動もされており、私も歓楽街で腕章されて街頭活動をする警察官の集団を見た際は、非常に安心感を覚えている。
 このように、さまざまな手段・手法を駆使し暴力団対策を講じられている県警察であるが、三つの勢力が三つ巴の様相を示す今だからこそ、暴力団を壊滅する絶好の好機であるとも考えられる。
 しかしながら、県警察では、さまざまな暴力団対策を講じられているのは理解できるが、先般のような拳銃使用の殺人事件が一度発生すれば、県民の不安は、過去の抗争事件で県民が巻き添えとなった悲劇が蘇り、再び県民がという不安が募っている状態に陥っていると思う。県警察には、絶対に抗争事件は起こさせないとの気概を持って、ぜひ暴力団対策に取り組んでもらいたいと考える。
 そこで、県民に安全・安心を与えるために、これまでの県警察の暴力団対策の取組と、これからの取組について本部長のご所信をお伺いする。
答弁者:警察本部長
一昨年の8月に六代目山口組が分裂をしたが、今年の4月には神戸山口組の内部対立が表面化しており、最近の暴力団情勢は、大変複雑かつ流動的な状態である。
 このような中に、先ほどお話があったように、今年の9月には長田の住宅街で、白昼、拳銃発砲による殺人事件が発生をし、県民に大きな不安を与えたところである。
 警察としては、現在、被疑者の早期検挙、事案の全容解明に全力で取り組むとともに、今後、県民を巻き込むような事案を絶対に生じさせないよう、関係する暴力団に対し、あらゆる法令を活用した取締り、あるいは歓楽街における集団警らや組事務所周辺における警戒を強化し、抗争事件の続発防止に努めているところである。
 また、これもご紹介あったが、公益財団法人暴力団追放兵庫県民センターが、住民の方の委託を受けて、淡路市所在の神戸山口組本部事務所の使用差し止めを申し立て、このことは暴力団の活動を封じ込めるためにも大変大きな効果があると考えており、県警察としてもこれを積極的に支援するとともに、同様の取組が県下の各地域においても進められるよう、暴力団排除機運の更なる向上に努めるなど、暴力団排除活動に取り組んでいくこととしている。
 さらに、今後、各団体の動向や実態の解明を進め、暴力団対策法に定める事務所の使用制限命令や暴力団の活動を厳しく規制することができる特定抗争指定暴力団の指定も見据えて、暴力団対策法を的確かつ効果的に運用することにより、抗争の防圧に努めることとしている。
 暴力団情勢が予断を許さない状況にある中、暴力団の壊滅が我々警察に課せられた最重要課題であると認識しており、全職員がその決意を持って、取締りをはじめとした暴力団対策を進めることで県民の不安を取り除き、安全・安心の確保に全力で取り組んでいく所存である。以上である。
質問者:中野郁吾
西川本部長からの力強いご答弁をいただいた。警察官の皆様は、非常に緊張感がある中での活動であるので、メンタルケアもしっかり行っていただき、更なる取組をよろしくお願いする。