6.総括審査
⑥空港の最大活用に向けた取組について
質問者:中野郁吾
六つ目の質問であるが、空港の最大活用に向けた取組についてである。
 今後、本県のみならず、関西の発展には、関西国際空港、伊丹空港、神戸空港の関西3空港のそれぞれが持つ潜在能力の最大活用を一体運用の中で実現することが欠かせない。
 関西国際空港は、LCCの就航により、旅客数はインバウンドを中心に好調に推移しており、平成28年度の国際線における外国人旅客数は1,243万人で、総旅客数は2,572万人と過去最高となっている。
 伊丹空港では、平成25年度から段階的に進められてきたプロペラ機枠の低騒音ジェット機枠化が平成27年3月に完了し、併せて長距離便枠は1日35.5回まで拡充され、平成28年度の旅客数は5年連続前年度を上回り、1,510万人となっている。
 神戸空港は、平成28年度は9年ぶりに旅客数が270万人を超え、利用率も過去最高の77.4%となっている。その神戸空港のコンセッションは、先日、前倒しで実施契約が締結され、来年4月にコンセッションが開始される。今後、発着枠や運用時間の制限が緩和されることにより、更なる航空需要の拡大や利便性の向上が期待される。
 また、3空港に加え、本県には但馬地域と神戸・阪神地域、さらに首都圏を結ぶコウノトリ但馬空港がある。課題はあるが、平成28年度の利用者数は3万660人、利用率66%と過去最高を記録し、今年度も好調に推移しているとのことである。今後の観光施策の効果などにより、更なる利用の向上と羽田直行便の実現を期待しているところである。
 さらに、今後は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、その翌年のワールドマスターズゲームズ2021関西などの国際的イベントを控え、関西でもインバウンド等による航空需要の更なる拡大が見込まれる。
 こうした状況を踏まえ、現在順調に推移している流れを更に加速させるためには、関西3空港の一体的な運営、神戸空港の規制緩和、但馬空港の羽田直行便の実現など、更なる最大活用に向けた取組が必要であると考える。
 そこで、本県での空港の最大活用に向けた取組状況を伺うとともに、インバウンド等により、今後、拡大する航空需要を取り込むために、今後、どのように取り組んでいくのか、お伺いする。
答弁者:井戸知事
関西3空港は、関西の飛躍のために、但馬空港は県北部の交流人口の拡大や活性化のために不可欠なものである。それぞれの空港が持つ潜在能力を最大活用する必要がある。
 これまで、関西3空港対策としては、3空港の一体運用の実現、運用時間の緩和、利用者の増加に向けた取組を進めてきた。
 具体的には、セミナーやフォーラムを開催し一体運用の必要性や効果を発信してきたし、伊丹・神戸の好調な利用状況を背景とした利用拡大や規制緩和を国へ提案してきたし、就航都市に出向いてインバウンド対策としてのプロモーション活動、新しい路線の提案なども行ってきた。
 カンタス航空が、この12月から関空に直接乗り入れてくれることになり、最初、臨時便だったが、定期便として1年間運航するということに決めてくれたので、これは広域連合としてカンタスに乗り込んで就航を依頼した一つの成果ではないかと思っている。
 今後は、2020年のオリンピック・パラリンピック、そして2012年のワールドマスターズゲームズ2021関西の開催を控え、インバウンドを含め拡大する航空需要を関西全体で取り込んでいかなければならない実情がある。
 この4月1日から神戸空港についても、関西エアポート神戸――関西エアポートの子会社である関西エアポート神戸がコンセッションを獲得し運用を開始する。実質的に3空港が一元運用管理されることになるので、3空港の最大活用の実現に向けた議論をしっかりと行うために、3空港懇談会の早期開催を関係者に働きかけていきたいと考えている。
 但馬空港については、現時点では伊丹・但馬便の利用促進と羽田直行便の実現、そして空港施設の多面的利活用に向けた取組を進めている。これらが各種対策を行い、今年度上半期の利用者数は、過去最高の昨年度の同時期に比べても約1,400人増になっている。
 今後は、来年度、新型機材であるATR42が就航する。座席数がサーブに比べ、サーブは36であるので12席増えることになる。ビジネス客が予約してしまうと、団体客が利用できないという事情があったが、この12座席増えることに伴い、一層の利用者増、団体客も受け入れることができるという期待ができるので、新規就航キャンペーンや首都圏向けの団体旅行商品の開発などを積極的に行っていきたいと考えている。
 ともあれ、関西の将来のためにも3空港の有効活用、そして但馬空港については、せっかくの空港であるので、これをフルに活用していく、この基本方向で今後の対応を進めていくので、よろしくご理解いただきたいと存じる。
質問者:中野郁吾
本当に3空港一体運用ということで、これは関西の大きな起爆剤になるかと思う。規制緩和、なかなかこれも変えていくには分厚い壁があるのかと思うが、関西一体となり取り組んでいくことにより、本県だけのメリットじゃなく全体に広がることであるので、知事には更なるご活躍を期待している。
 それで、但馬コウノトリ空港であるが、我が会派においても、なかなか厳しい意見が出ており、とはいえ、伸びてきているということと、このたび産業労働部の方でひょうごゴールデンルートに城崎を指定したということで、城崎の発展を図っていく中では、有効活用をすれば可能性はまだまだあるかとも思っている。
 知事がおっしゃったように、団体も乗れるということで、インバウンドを含めて乗っていただき、更に人数を増やすぐらいのところまで持っていっていただければと思う。
 先ほどのリーサスのところで、観光客がどこからその地域に来て、その地域からどこに行ったというのが分かるので、但馬を訪れている人が果たして次にどこへ行くのかとか、どこから但馬に来るのかも調べてもらい、羽田直行便に限らず有効なところがあるのであれば、そこも検討していただいてもいいのではないかと思う。しっかりと空港インフラ、しっかり活かしていただく取組も進めてください。次の質問に移る。