6.総括審査
➄地球温暖化対策について
質問者:中野郁吾
日常生活や経済活動で排出される二酸化炭素等の温室効果ガスにより地球温暖化が進んでおり、その影響で地球上のあらゆるところで異常高温や大雨・干ばつの増加などの気候変化を引き起こしている。さらに、農業や漁業への打撃、水不足、生態系への影響、災害の激化など、深刻な影響が懸念されている。
 世界において、この地球温暖化の解決に向け、平成27年に開催されたCOP21で、全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みとして、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度より十分低く保ち、さらに1.5度に抑える目標を立てた「パリ協定」が採択され、2016年11月に早期発効が実現し、その後のCOP22を皮切りに、実効性を持たせるルールづくりが始まっている。
 国においても、パリ協定の採択を受け、地球温暖化対策計画を平成28年5月に策定し、2030年度に向けて地球温暖化対策が着実に進められるように、事業者や国民が講じるべき措置の基本的事項や、国や地方公共団体が講ずるべき施策を示した。
 一方、県内の年の平均気温が、25年前と比べ豊岡で0.8度、姫路で1.0度、神戸で1.4度上昇しており、また、神戸の桜の開花時期が50年間当たり5.6日早まっているなど、温暖化の進行が確認されている。現状以上の対策を講じなければ、21世紀末の県の年平均気温は、20世紀末と比べて約3.5度上昇すると予測されている。
 本県では、平成26年3月に平成32年度の温室効果ガス削減目標を定めた第3次兵庫県地球温暖化防止推進計画を策定し、さまざまな主体の参画と協働のもと、低炭素社会の実現を目指し取り組んできたが、国内外の動きを受け、2030年度を見据え、兵庫県地球温暖化対策推進計画を平成29年3月に策定し、六つの基本方針のもと、更なる対策を展開していくとのことである。
 そこで、これまでの地球温暖化対策の取組状況や成果、新たな計画から加えられた適応策を含めた今後の取組についてお伺いする。
答弁者:環境部長
前回の第3次兵庫県地球温暖化防止推進計画では、特に、県内排出量の64%を占める産業部門に対し、条例、そして要綱に基づき、排出抑制計画・措置結果報告を求め、大規模事業所については、その概要を公表し、自主的な取組を促した。
 また、2020年度末までに県内の再生可能エネルギーを新たに100万キロワット導入する目標は、再生可能エネルギー相談支援センターの開設などの取組により、目標年度を大きく前倒しし、2015年9月に達成している。これらの取組により、直近の2014年度速報値では、2005年度比3.3%減と減少傾向にある。
 本年3月に策定した兵庫県地球温暖化対策推進計画の削減目標は、国対策に県独自対策を加えて、国計画を上回る26.5%としている。このため、産業・業務部門では、従来の排出抑制計画制度に加え、エネルギーマネジメントシステム導入支援によるエネルギー使用実態と各対策効果の見える化を推進する。加えて、うちエコ診断やうちエコキッズの普及など、家庭から始まり産業・業務部門へも波及効果が期待できる施策を展開する。
 また、2030年度再生可能エネルギー導入目標を、発電量で70億キロワットアワーとし、大規模太陽光発電に偏らないバランスのとれた導入を促進する。
 さらに、農作物の品質低下や大雨の増加による自然災害の増加など、さまざまな影響に対して備える適応策についても、国やひょうご環境創造協会と連携した影響調査を行い、温暖化の影響に対応する施策を展開する。
 2030年度の削減目標を確実に達成するため、新計画に基づき総合的な施策を充実させ、我が国の低炭素社会づくりをリードする取組を積極的に展開していく。
質問者:中野郁吾
これまでの取組で目標達成しながらやっているということで、2030年度の目標で国の目標を上回る26.5%ということで、なかなか達成に向けて、かなりの努力が必要なんだという気はする。
 今後、太陽光に頼らないバランスのとれたエネルギーということで、ほとんどが太陽光エネルギーに依存していると思うが、それから例えば小水力発電がどれだけ今後伸びる要素があるのかというと、なかなか難しい気もしているし、風力発電、これから海上風力発電にも取り組むということで、それも兵庫県内あちこちに有効にできるかというと、それもなかなか厳しい状況だとは思うが、ただ目標を大きく掲げているので、ぜひとも達成に向けて取り組んでいただきたいと思う。
 温暖化を食い止める緩和策については、本県だけで取り組んでいてもだめだと思うので、国と全世界が一致して取り組んでいかないと解決しない問題だとは思うので、兵庫県、先進的に取り組まれている「うちエコ診断」であるとか、小さいことかもしれないが、そういった良いものも世界に広めていただく取組を進めてもらえばと思う。
 また、適応策であるが、農林水産業にとって温度が、気温が上がっていくということは非常に大きなダメージにもなると思うが、ある程度、温暖化が進むことは避けられないところもあるので、しっかりと適応策、そういった農林水産業に従事されている方に周知していただき、ダメージを受けないような取組も進めてください。以上で、次の質問に移る。