6.総括審査
➃ひょうごツーリズム戦略について
質問者:中野郁吾
続いて、ひょうごツーリズム戦略についてである。
 平成25年度に策定したひょうごツーリズム戦略(平成26~28年度)に基づき、井戸知事をトップとする兵庫県観光ツーリズム推進本部のもと、全庁を挙げて観光ツーリズムの振興に取り組まれてきた。
 その結果、本県への観光入込客数は、平成28年度は平成27年度より少し減少し1億3,400万人となったが、緩やかに増加傾向にある。また、外国人旅行者数も、平成23年に36.7万人から年平均3割を超える増加となり、平成27年は前年比5割を超える急激な増加で128万人となり、平成28年までのひょうごツーリズム戦略の目標であった100万人を突破し、平成28年は149万人と過去最高を記録している。
 さらに、平成28年度の兵庫県の観光消費額は1兆2,054億円、生産誘発額は1兆7,655億円で就業者数は20万8,000人、付加価値誘発額は9,595億円であり、観光消費による経済波及効果も大きくなっている。
 このように、本県におけるツーリズムの推移を見ると好調であることは確かであるが、本県の外国人旅行者数は149万人で、近隣の大阪府の940万人、京都府の661万人と比べると、大きく水をあけられている状況である。
 ツーリズム戦略と掲げている以上、その目標達成に向け戦略的な推進方策を立てて、大胆かつインパクトのある施策を展開し、国内はもちろん、外国人に目を向けてもらい、関空などから多くの外国人が兵庫に訪れてもらわなくてはならない。
 これまでのツーリズム振興の取組については、先ほどの数字が示すとおり、大変評価をするところではあるが、外国人旅行者がどのようなものを求めているかなどのマーケティング戦略や積極的なプロモーション活動、効果的なマスコミ・インターネット等を活用した情報発信など、戦略的な施策がまだ不足しているのではないかと考える。
 国においては、2020年の訪日観光客を4,000万人に、2030年には6,000万人を目指すこととし、成長戦略の大きな柱と位置付け、更なる施策展開を図っていくとのことである。
 本県においても、この国の動きに連動して、本年3月に新たなひょうごツーリズム戦略を策定し、県内を訪れる外国人旅行者数の目標を2020年に300万人とする目標を立てるなど、より多くの誘客を図っていくとのことである。
 そこで、前ツーリズム戦略の取組の成果や課題を踏まえ、どのような戦略を描いて兵庫への誘客促進に取り組まれようとされるのか、改めてお伺いする。
答弁者:産業労働部長
ひょうごツーリズム戦略についてであるが、観光による交流人口の拡大は、地域の元気づくりにとって重要であり、中でも外国人旅行者の増加を図ることは大きな効果が見込まれる。
 平成26年度から平成28年度のツーリズム戦略では、アジアからの誘客に重点を置き、海外旅行エージェントやメディア関係者の招聘、海外旅行博覧会への出展などに積極的に取り組み、本県を訪れた外国人旅行者数は、平成28年に149万人と過去最高になった。
 しかしながら、大阪、京都に大きく水をあけられている状況の中、拡大するリピーターの外国人個人旅行者の取り込みに向けて、PRにおけるターゲットが不明確なこと、SNSなどを活用した情報発信が弱いこと、体験型観光への対応が不十分なことが課題となっている。
 そこで、外国人旅行者が多く訪れる神戸、姫路城、城崎温泉をつなぎ「ひょうごゴールデンルート」として明確に打ち出し、海外旅行エージェントへのプロモーション、オンライン情報誌による国内外での情報発信により、外国人旅行者の呼び込みにつなげていくこととしている。
 二つ目には、SNSなどの活用強化については、トリップアドバイザーと連携した口コミ情報の発信、大阪や京都等を訪れている外国人旅行者のスマートフォンへの兵庫の食や宿泊情報の直接配信などに取り組んでいく。
 三つ目に、体験型観光については、スキーやそば打ち、陶芸やサイクリングなどのPRを強化していくこととしている。
 こうした取組により、現在のツーリズム戦略で目標に掲げている平成32年における外国人旅行者300万人、現行実績の倍増であるが、その300万人を目指していく所存である。
質問者:中野郁吾
結果としては、すごい、さっきから数字を言っているように伸びていて僕はいいと思っているが、明らかに大阪、京都が伸び過ぎているというところもあり、比べると何か見劣りをするような気持ちにはなるが、頑張って300万人を目指していただきたいが、答弁の中でターゲットが不明確ということで、大阪では、例えば昨年度から地方創生交付金を活用してマーケティング戦略に力を入れていて、アジアとか欧米、オーストラリアとかでマーケティングを行っているということであり、そこで海外旅行のトレンドを把握したり、Wi-Fiの利用データからも動向を把握したりということに努められていることで、990万人呼んでいる大阪でも、更に貪欲にマーケティングを行い、更に呼び込もうとしているので、そういったマーケティングにもうちょっと力を入れていただいて、その上でプロモーション活動を推進していただければと思う。
 それと、部局審査のところで片山部長からの三都物語についての言及があり、東京、愛知、大阪ということで、そうじゃないだろうと、僕も兵庫県で生まれて兵庫で育っているので、三都物語というと、京都、大阪、神戸ということで、兵庫(も入っている)と僕も思っている。であるので、関西全体を盛り上げていただきたいということと、今後、北陸新幹線が新大阪まで延びてくる、中央リニア新幹線が名古屋まで来て、そこからまた大阪まで来る。ただ、そこでちょっと終点になってしまう、関空は関西であるという中で、大阪がどうしても終点になってしまう。そこから兵庫県にどう引っ張ってこれるかということも大事だと思うので、したたかに大阪から引っ張ってくるということと、また関西広域連合もあるので、情報交換をしっかりしていただき、更に誘客促進に努めていただきたいと思う。では、次の質問に移る。