6.総括審査
➂地域経済分析システムの活用について
質問者:中野郁吾
続いての質問であるが、地域創生について、今回、たくさんの質問をされているが、ちょっと角度を変えて質問をしたいと思う。
 地域経済分析システムの活用についてである。
 地域経済分析システムは、リーサスと呼ばれており、産業構造や人口動態、人の流れ等の官民ビッグデータを集約し可視化するシステムで、経済産業省と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が、地方創生のさまざまな取組を情報面から支援するシステムとして作られ、地方公共団体に提供され、一部の機能が一般の方でも利用ができるようになっている。
 このシステムは、県や市町が客観的なデータに基づき、自らの地域の現状と課題を把握し、その特性に即した地域課題を抽出して、地域創生の総合戦略を立案するためのツールとして、既存のシステムをベースとして、経済分野に限らず、さまざまなデータを搭載することで、地方自治体が役立てることができるシステムへと再構築したものである。
 人口マップ、産業構造マップ、企業活動マップ、観光マップ、雇用・医療・福祉マップ、地方財政マップのデータが提供されており、これらの機能を利用して、産業戦略の立案、観光戦略の立案、インフラ政策や医療福祉政策、教育政策等に役立てることができるとうたわれている。
 例えば、観光において簡単な例を出すと、観光客がどの地域に多く訪れているのかが地図上で分かり、また観光客がどの時期のどの時間帯にその地域によく訪れているのか、さらに観光客が日本中のどこから、その地域に向かったのかが地図上に放射線状に示され、観光客の動向や傾向を把握することが可能である。
 このリーサスは、客観的・中立的な政策意思決定システムとして活用されることが期待されているとのことであるが、本県において、地域創生戦略等の立案や事業推進に関して、これまでどのように活用してきたのかお伺いする。
 また、本システムを活用するためには、ノウハウの蓄積や他の都道府県や市町相互の情報交換、県においても各部門における人材育成も必要になってくると考えるが、本システムの活用に対する見解、評価、今後の活用方針について、当局のご所見をお伺いする。
答弁者:政策創生部長
地域経済分析システムの活用についてお答えする。
 地域経済分析システムは、地域ごとの産業構造や流通構造、人口動態などのビッグデータを集約し可視化するものであり、施策立案などに有効な政策分析ツールであるとともに、県民への分かりやすい情報提供の手段として評価しているところである。
 この地域経済分析システムについては、施策立案の際に、産業連関表や国勢調査、住民基本台帳移動報告などの公的統計データ、県民意識調査等と併せ、重要なツールの一つとして活用しているところである。
 年齢別人口や2015年から2040年までの人口推移、本県の他府県等に対する社会増減、進学や就職を契機とした若年層の転出入などの実態の把握に当たっては、既存の統計に加え、地域経済分析システムの人口マップも活用し、UJIターン等社会増対策に向けた施策立案の参考としている。
 例えば、西日本から兵庫県への転入超過の状況を踏まえて、その傾向を強化していくため、カムバックひょうごセンターを神戸に設置したほか、中国・四国・九州等の若者に向けた情報発信など、関西圏、西日本をターゲットにした対策を推進しているところである。
 人材育成に関しては、府県間の情報交換の場に担当職員が出席し、さまざまな分析事例の把握等に当たっている。また、県職員、県内市町職員を対象とした地域経済分析システム活用研修会の開催を行うなど、裾野の拡大にも努めているところである。県職員の政策立案研修の中でも、その内容紹介を行っている。
 今後とも、地域創生戦略の推進に当たって、地域経済分析システムを地域経済・産業などの分析や地域の現状と将来像の「見える化」を進める有効なツールの一つとして活用していきたいと考えている。
質問者:中野郁吾
幾つか活用されているということであり、地域創生を進める中で、現地とか現場というところでおられる方の感覚や声をもとにしてあるということには本当に僕は重要なことだと思っているが、こういった客観的な統計データを組み合わせてみることにより、見えてなかったものが見えてくることもあると思うので、新たな課題とか可能性についても発見できることもあると思うので、更に研究を進めていただいて、活用ができればしていただきたいと思う。次の質問に移る。