6.総括審査
➁地域ぐるみでの子育て支援の推進について
質問者:中野郁吾
二つ目、地域ぐるみでの子育て支援の推進についてである。
 本県では、誰もが安心して子育てができる社会の実現に向けて、出会い・結婚・出産・子育てまで切れ目のない施策が展開されており、子育てにおいては、家族だけでなく地域との関係強化を図り、地域ぐるみでの子育て支援が推進されている。
 その施策展開として、平成14年度からは、子育て中の親子が気軽に集い、子育ての悩みを話し合い情報交換ができるまちの子育てひろばの開設支援、平成21年度からは、商店街の空き店舗等を活用し、親子がくつろげる場所や授乳スペースを設置するための子育てほっとステーション事業を実施されており、未婚化・晩婚化の進行に対する取組として、社会全体で結婚・子育てを応援する機運を醸成するためのテレビ番組を制作・放送されてきた。
 また、平成17年度以降は、私立幼稚園において、在宅幼児等に対する幼児教育を実施し、小学校教育への円滑な移行を支援するわくわく幼稚園開設事業の実施、同じく私立幼稚園において、幼児体験教育や子育てサロンを開設する補助を行うなど、地域ぐるみで子育てをする取組を進めてきた。
 さらに、平成28年度からは、子育て支援に携わりたいというシニア世帯と支援を受けたい子育て世帯を対象に、交流事業などを通じて信頼関係を構築し、シニア世帯が子育て世帯の日常的な見守りや相談、緊急時の一時預かり等を行う、地域における3世代家族の育成を目指す地域祖父母モデル事業が実施されている。
 核家族化などに伴う子育ての負担増加が問題となる中、地域で家族のような関係構築を促すこの事業は、全国でも初めてということで注目されているところであるが、これらの地域ぐるみでの子育て支援は、子育ての負担軽減だけでなく、地域での子育て機能を高め、地域の絆を深める有益な事業と考えており、これからもどんどん支援の輪を広げていただきたいと思う。
 そこで、本県におけるこれまでの地域ぐるみでの子育て支援の取組の評価と課題、それらを踏まえた今後の展開についてお伺いする。
答弁者:井戸知事
県民意識調査によると、子育てなどを地域ぐるみで行うべきだという回答が9割近くになっている。そして、現実に地域での子育て事業に自らも参画したいという方々が5割を超えているというのが実情である。しかも、若い世代でも積極的な意向が示されている。
 そのような状況を踏まえさせていただくと、地域ぐるみの子育て施策というのは、非常にこれから重要な役割を果たしてくれることになることが、まず大前提で押さえておく必要があるのではないかと思っている。
 そういう意味では、まちの子育てひろばというのは2,000を超えており、それから子育てほっとステーションも――51であるが、これからもっと整備をしかなければならないし、それから幼稚園とか保育所に協力をいただいているわくわく幼稚園とかわくわく保育園、これらの事業も好評であるし、昨年度から始めた地域祖父母モデル事業は、400組の関係が成立しているが、これは1対1の対応ではなく、グループ対グループの対応ではあるが、なかなか1対1は難しい、お互いに責任が見えないところがあるので難しいが、それでもグループ対グループで400組もできたということは、それだけ、先ほど触れたような地域の方々の意識があるということではないかと思っている。これを大切に育てていきたいと思う。
 今後、シニア世代の対象だけではなくて、大学生だとか、あるいは子育てが一段落した中堅世帯に対しても、交流会の実施などにより、ネットワーク化を進められるような試みを更に強化していきたいと考えている。
質問者:中野郁吾
午前中の答弁で出てきた「子育てするなら兵庫」、これ、知事、最近よくおっしゃっておられるかと思うが、この言葉に関して知事とか当局の皆さんが精一杯取り組んでおられるのは私もすごい理解はしているが、さっきおっしゃっていただいたように、9割近い方が地域ぐるみで子育てをするべきだと考えていると、また参画したい人も5割だということで、子育てするなら兵庫ということで、行政だけが取り組むんじゃなくて、本当に5割とは言わずに、県民皆さんが子供は自分たちが地域で育てるものだという意識醸成を更に図っていただきたいと思う。
 それと、私自身もこの事業、実はちょっと子供を連れて参加してみた。すると、その参加者のママさん世代の大変多くの方が――僕が行った場所であるが――おっしゃっていたのが、地域のシニアの方々と触れ合って地域と関わることにより、空気を読める子供になってほしいということをおっしゃった方がたくさんおられ、親だけじゃなく、今後、子育てに関して地域の人と触れ合うということに今のお母さん方は非常に関心を持たれているということもあるので、そのあたりを含めて、そこのモデル事業、シニア世代、現役世代、子供世代ということで、さらに、今後、大学生、中堅ということで世代を超えた交流を図られるということであるので、参画と協働に大いにつながっていくと思うので、更なる取組をお願いする。