5.県土整備部についての審査
➃津波防災インフラ整備計画について
質問者:中野郁吾
津波防災インフラ整備計画についてである。
 東日本大震災では、計画規模をはるかに超える巨大津波によって沿岸部の市街地が広範囲にわたり水没するなど、甚大な被害が発生した。近い将来発生が懸念される南海トラフ巨大地震においても、広い範囲で津波による浸水被害が想定される。
 このため、県では、平成25年2月に津波防災インフラ整備5箇年計画(暫定版)を策定し、津波対策の全体像を示すとともに、防潮堤の越流対策、引き波対策等に着手し、国の想定を踏まえ、県沿岸部の地形条件等を詳細に反映させた県独自の津波浸水シミュレーションにも取り組み、津波浸水想定図を作成、公表した。
 それを踏まえ、津波防災インフラ整備5箇年計画(暫定版)を改定し、さらに地震動による防潮堤等の沈下対策の検討を行い、これを反映した津波対策後の浸水区域の縮減効果を取りまとめ、津波防災インフラ整備計画を策定した。この整備計画の改定ポイントは、防潮堤等の沈下対策、防潮水門の耐震対策の追加、津波対策後の浸水想定区域の縮減効果の取りまとめの三つである。
 私が住む西宮市においても、対策前では鳴尾地区の堤内地で阪神電鉄の軌道あたりまでの261ヘクタールの浸水が想定されていたものが、対策が完了すれば0ヘクタールへと解消され、西宮・今津地区の堤内地でも419ヘクタールの浸水が想定されていたものが37ヘクタールへと9割ほど縮減され、一部浸水するものの避難行動の取れる程度にできるとのことで、その対策が進められている。
 そこで、現在行われている水門の整備や防潮堤の越流対策や沈下対策などの進捗状況と、事業完了の見通しについて伺う。
答弁者:計画参事
南海トラフ地震による津波浸水被害を軽減するため、津波防災インフラ整備計画に基づき、計画的に津波対策を進めている。重点整備地区や人家連担部の対策は平成35年度までに、また、そのうち緊急かつ重要な事業は30年度までに完了することを目標としている。
 進捗状況については、平成28年度末時点で、10箇年計画の3年目で進捗率35%であり、計画どおりの進捗となっている。具体には、レベル1、安政南海地震並みの津波対策として、防潮堤等の整備を福良港などで1.2キロメートル、水門整備を八家川で1基、レベル2の最大クラスの津波対策として、防潮堤等の越流対策、引き波対策を阿万港などで4.8キロメートル、防潮堤等の沈下対策を尼崎西宮芦屋港などで1.1キロメートル、防潮水門の下流への移設を洗戎川で1基、整備を終えている。
 今年度も、西宮・今津地区では朝凪町や西波止町において防潮堤の沈下対策や、今津西浜町においては新川水門の門柱工事、また、鳴尾地区では来年度以降の整備に向けて沈下対策の詳細検討を行うなど、事業推進に努めている。
 今後とも引き続き津波防災インフラ整備計画に基づき、着実に津波対策を推進していく。
質問者:中野郁吾
今、平成28年度末で35%と計画どおりであり、鋭意取り組んでいると思うが、周辺住民の方はいつ来るか分からないということで不安であるので、できるだけ早く整備完了するようにお願いする。