4.公安委員会についての審査
➁待機宿舎の現状について
質問者:中野郁吾
次の質問は、待機宿舎の現状についてである。
 私は昨年度、警察常任委員会の委員として、警察活動について調査を行ってきた。有事や大規模災害が発生した際に、早期段階で部隊活動が行えるように県警察では、一定の人員確保を行うため待機宿舎が設置されている。
 私が警察常任委員会の管内調査で視察した明石市内にある待機宿舎では、建物の老朽化もひどく、耐震性についても不安を覚える状態であった。待機宿舎は若い警察官の世帯が生活の拠点としても居住する場合が多いと思われるが、お世辞にも、住み心地が良さそうとは言えない状態である。いつ呼び出しがあるか分からない緊張感の中で生活を行っており、家族との憩いの場として、心身のリフレッシュを行う住居であるためには、ある一定の水準まで住居として、耐震化等の安全性を確保した上で、価値を高める必要があるのではないか。
 警察官という厳しい職場環境の中、昼夜を問わず激務をこなしている中、憩いの我が家でもある待機宿舎の機能をもう少し向上させることにより、警察官としてのモチベーションも向上するのではないかと考える。
 そこで、平成28年度の待機宿舎の耐震工事を含めた整備状況と、今後のあり方について当局の所見を伺う。
答弁者:警備部長
待機宿舎については、大規模災害や重大事件等発生時の初期段階において、迅速かつ集中的な警察活動を行う体制を確立するために、警察職員が集団的に居住する施設として設置している。
 現在の施設の数は、56棟、1,078戸あり、この中で耐用年数を超えたものはないが、建て替えの目安となる築後40年を経過しているものが約8割あり、また、これまでの耐震診断において、22棟が大地震により、倒壊または崩壊の危険性があると判定されている。
 待機宿舎の整備については、県内各地域における待機宿舎の設置及び入居状況等を踏まえつつ、老朽化が著しいものを廃止する一方で、使用の継続が必要な待機宿舎については建物の老朽化対策などの観点から改修などに努めている。
 平成28年度中は、14ヵ所の待機宿舎において排水管、給水ポンプ、共用廊下などの修繕等を行ったが、耐震工事については、大規模災害発生時に警察職員が参集し、警察活動の基盤を担うこととなる警察署を優先して実施しており、待機宿舎の耐震工事は行えていないのが実情である。
 県警察としては、有事の際に必要な初動対応能力を維持するためには、少なくとも1,000戸の待機宿舎が必要であると見込んでおり、今後とも現有宿舎の配置や老朽化などの状況を勘案しながら、耐震性と快適な居住機能を備えた待機宿舎の計画的な整備を進めていく。
質問者:中野郁吾
私が見た待機宿舎では、土間のコンクリート打ちっ放しでタイルもないような風呂があるなど、通常の住居よりも住みにくそうな印象があった。
 また、有事の際や災害発生時の初期段階に集団で待機する拠点として、耐震性がなければ倒壊等により、余計な被害が発生し、警察官やその家族にも影響が出るのではないかと考えられる。財政状況が厳しい中ではあるが、待機宿舎については、しっかりと整備されるべきと考えているので、よろしくお願いする。