2.企画県民部②についての審査
➃エネルギー対策の推進について
(2)海洋エネルギー資源開発について
質問者:中野郁吾
海洋エネルギー資源開発についてである。  本県では、先進的に表層型メタンハイドレートの調査を行ってきており、その開発促進のために、日本海連合と連携した取り組みを展開されている。
 まず、国への要望として、調査費の予算の拡充や、商業化に向けたロードマップの策定、資源回収技術開発の促進を求めている。
 県内においてはメタンハイドレートの周知、啓発のために平成27年度は豊岡市で、平成28年度は県公館で、また、今年度は、再び豊岡市において海洋資源等に関する講演会が開催されるとのことである。これらの講演会等への関心は高く、多くの来場者があったとのことであるが、今後の本県の海洋エネルギー資源開発に少し疑問がある。
 西日本の日本海側にはガス基地や幹線パイプライン網がなく、また、南北をつなぐ幹線パイプラインも存在していないことから、南海トラフ巨大地震への備えや、パイプラインの沿線地域の活性化のためにも広域ネットワークの構築が必要であるとして、京都府と共同で研究会を設置している。研究会は、日本海国土軸と南北横断のガスパイプラインの整備構想を推進し、今後、国が全国計画を策定し、そこへ位置づけられるように提案していくとのことであるが、この計画では、京都府の舞鶴市あたりが拠点となることから、京都府の日本海側においては実用化に伴いプラントの建設が行われ、その稼働により多くの雇用が創出されるなど、経済的メリットがあると考えるが、一方で、これまで先進的に取り組んできた本県は、調査等の投資をしておきながら、大したメリットがないというような状況になるのではないかと思う。
 そこで、これまでの海洋エネルギー資源開発の状況と、今後、メタンハイドレートが実用化された際の本県のメリットについてお伺いする。
答弁者:水エネルギー課長
メタンハイドレートは、新たな国産エネルギーのエネルギー資源として期待が高く、本県独自に平成24年度、25年度に但馬沖で賦存確認調査を行うとともに、国に詳細調査の実施を働きかけ、平成26年、平成27年度には但馬沖でも資源量把握調査が実現するなどエネルギー資源開発の促進に取り組んできた。
 国では、こうした調査の成果を踏まえ、昨年度から公募により日本海側での資源回収技術の調査研究に着手をし、現在6団体による研究を進めている。また、本年9月から日本海側でメタンハイドレートの賦存状況を把握するため、海洋電磁探査が行われている。
 開発には、回収技術やそのコストなど、依然多くの課題があり、時間を要するが、実用化が進むと国産エネルギーの安定供給が可能になり、関連企業の立地や雇用創出など、日本海沿岸の産業や経済の活性化が期待できる。そのため、国に対して、技術開発での地元の中小企業等の活用や、人材育成を要望するとともに、講演会等でメタンハイドレートの実用化に向けた県民の理解と、機運の醸成に努めている。
 今後とも、日本海連合と連携し、メタンハイドレートの実用化に向けた国による取り組みが促進されるように、県民への周知や国への提案など積極的に取り組んでいく。
質問者:中野郁吾
この海洋エネルギー資源ということで、メタンハイドレートだが、これも水素と同じで実用化に向けてのまだ、かなりのハードルがあるということで、回収技術であるとかコスト面であるとかということで、なかなか進まないというか、時間がかかるのかなと思う。
 けれども、本県として、先ほども言ったように講演会をたびたび行っていて、豊岡のほうで今年も行うということで、地元の人からしたら、これ但馬沖にあるということで期待されていて、講演会を行うことによって、その機運醸成を図っているということだが、機運の醸成は図られているのではないかと思う。ただ、機運が醸成されて、新しいエネルギーがここでとれて、何か但馬の例えば経済的な効果があるんじゃないかみたいな大きな期待までいってしまっていて、実は、これが導入されたときに、「兵庫県にそんなメリットがなかった。残念。」みたいなことにならないように、本県だけじゃなくて、これが実用化されることによって全体の利益にはつながるということは理解している。けれども、やはり本県としても投資を行ってきた以上、何かしらの大きな経済的なメリットも得られるようなことにもしていただきたいなと思う。以上で終わる。