2.企画県民部②についての審査
➃エネルギー対策の推進について
(1)水素社会の実現に向けた取り組みの推進について
質問者:中野郁吾
四つ目、エネルギー対策の推進について、まず、水素社会の実現に向けた取り組みの推進についてである。
 水素は環境負荷が極めて少ないエネルギー源であり、本県では水素社会の実現に向け、平成27年5月に「水素社会戦略研究会」を設置し、県内の水素関連企業が有する技術や、大学の研究シーズを生かした本県ならではの推進方策を検討し、本県の強みを生かした取り組みを推進している。
 また、燃料電池自動車や水素ステーション、家庭用燃料電池などが普及しつつある。さらに、海外で製造した液化水素を海上輸送して日本で供給する水素サプライチェーンの構築の実証プロジェクトも、兵庫県を事業拠点に進められているとのことで、さらに注目されているが、その一方でコスト面や技術面など、本格的な水素社会の実現には、なお多くの課題もある。
 本年、農政環境常任委員会の管内調査で「神戸七宮水素ステーション」にお伺いし、調査したところ、水素の持つ大きな可能性を感じた半面、燃料電池自動車の普及が進んでいないことから事業ベースにまだまだ乗らないとのことであった。
 そこで、環境負荷の少ないクリーンエネルギーである水素社会の実現に向け、「水素社会戦略研究会」において検討をされてきたが、これまでの検討内容や今後の課題についてお伺いする。
答弁者:水エネルギー課長
水素は、低炭素社会の実現に大きなポテンシャルを持つエネルギー源であることから、国では「水素・燃料電池戦略ロードマップ」の策定に加え、今年内には水素基本戦略を取りまとめることとしている。
 本県としても、「水素社会戦略研究会」で、水素ステーションの整備促進、水素エネルギーの地産地消や県内企業の水素産業への参入促進、普及啓発など、水素社会実現に向けた取り組みを検討している。
 水素は将来の主要な二次エネルギーの一つとされているものの、その利活用には、製造技術やコスト、制度などいまだ課題が多くある。とりわけ天然ガス等、既存エネルギーよりコストが高く、規制緩和や技術開発、安価な水素の大量調達等によるコスト低減が不可欠である。そのため、中長期的な取り組みが必要となる。
 このため、引き続き燃料電池自動車の普及や水素ステーションの整備等により水素利用の拡大を図るほか、再生可能エネルギー由来の電力を水素で蓄蔵する等の利活用策の検討や水素関連産業の育成・振興への支援等を行っていく。また、神戸での水素サプライチェーン構築実証の動向も注視しつつ、2030年頃に想定される本格展開に向けて、情報収集や課題抽出などを行うなど、水素社会の実現に向けた取り組みを推進していく。
質問者:中野郁吾
すごいポテンシャルがあるということと、魅力はあるのだが、まだまだ課題が多いということで、これは国の動向なんかも踏まえて、さらに取り組んでいただければと思う。