6.公安委員会についての審査
➁未成年者の暴力団加入防止に向けた取組について
質問者:中野郁吾
未成年者の暴力団加入防止に向けた取組についてである。
 先月、大阪府において、特殊詐欺で使う銀行口座を友人の高校生に作らせたとして、16歳の男子高校生が警察に逮捕された。
 報道によると、口座は詐欺グループがアダルトサイトの登録料を偽ってだまし取った現金の入金先として使われていたということである。
 このような犯罪の背後には、暴力団の存在があり、暴力団は犯罪の実行役として若い世代を狙っているとも聞く。
 これだけ暴力団の反社会性が問題視されている現在においても、暴力団に加入、または関与して、犯罪に手を染めてしまう少年がいることは非常に残念である。
 こうした少年は、詐欺グループや暴力団など、犯罪を敢行する反社会的存在に対する十分な知識やその危険性についての認識が欠如しているのではないかと思う。
 先日、暴力団追放兵庫県民センターが、暴力団排除教室を中学生を対象に実施したとの報道があった。
 この教室では、振り込め詐欺や麻薬等の犯罪で資金を得た暴力団の実態を寸劇を交えて解説し、注意喚起を行うというものであり、大変すばらしい取組であると感じた。
 教育の基本は学校や家庭であるが、暴力団組織の実情や手口など、多くの保護者や学校教員は、社会一般的な知識しかない。
 しかし現在、暴力団情勢が著しく変化し、抗争の危険性が増していることは、県民も各種報道を通じて認識していると思う。
 これをチャンスと捉え、若者に対して、暴力団の生々しい実態や、犯罪被害者の不幸な実態、暴力団に加入した者が簡単に抜けることができなくなる、そして、家族や周囲にどれだけ迷惑がかかるかなどについて伝えることが効果的である。
 そのためには、実際に暴力団対策を行っている警察が、暴力団壊滅に向けた取り組みの一つとして、未成年者に対して積極的な暴力団に対する教育を行ってもらいたい。
 そこで、暴力団組織の壊滅に向け、未成年者の暴力団加入防止に向けた今後の取組をどのように推進していくのか当局の考えを伺う。
答弁者:刑事部参事官兼組織犯罪対策局長
未成年者の暴力団への加入を防止することは、組織の人的基盤に打撃を与えるための有効な暴力団対策の一つである。
 暴力団員は、組織の勢力を維持、拡大するため威迫や甘い言葉を掛けるなどの手段を巧みに用いて、是非弁別能力が未熟な少年を組織に加入させようと画策しており、本県警察においては、これまでに未成年者に対する指定暴力団への加入強要事案として、中止命令を発出するなど、暴力団への加入阻止に努めている。
 さらに、暴力団追放兵庫県民センターでは、県内の中・高校生に暴力団の反社会性や組織の実態を正しく知ってもらうために、県警察からの派遣された職員による暴力団排除教室を実施している。
 今後は組織犯罪対策部門だけではなく、少年の健全育成を担当する部門や関係機関とも連携して、暴力団の危険性、犯罪との関わりなどについて理解してもらうための教育を継続して行うとともに、諸法令を駆使した取り締まりによって、未成年者の暴力団加入防止に向けた取り組みを推進していく。
質問者:中野郁吾
私も1歳の3歳の子供がいて、将来暴力団に入ることはないとは思うが、どこでどう社会になじめなくなり、ぐれてしまうか分からないこともあるので、そういった少年を守るためにもしっかりと今後も取組を進めてもらいたい。