4.健康福祉部についての審査
➂助産師育成及び助産所開設について
質問者:中野郁吾
三つ目、助産師育成及び助産所開設について。
 産前・産後の切れ目ない妊産婦を支援するには、助産師の存在と技術の向上が欠かせない。まず、助産師になるには、看護専門学校または看護系の短大を卒業後、看護師国家試験に合格し、看護師の資格を有してから、さらに指定されている助産師養成校で1年以上、助産師に必要な知識を学び、臨床実習で実践的な技術を身につけた者に助産師国家試験の受験資格が与えられるとのことである。
 また、一部の4年制の看護大学または専門学校では、看護師養成課程の中に、助産師養成のためのカリキュラムを加えているところがあり、そこで学んだ場合は、看護大学の課程を修了すれば、看護師、助産師、両方の国家試験の受験資格を得ることができるとのことである。助産師試験の合格率は90%以上と高いようだが、助産師の試験に合格していても、看護師の試験が不合格である場合は、助産師の免許は取得できないとのことである。なお、男性の産婦人科医はいるが、助産師になれるのは女性のみとなっている。そして助産師を志す人にとって本当に難しいのは、国家試験に受かることよりも、むしろ、助産師養成校に入ることで、助産師養成校は、看護学校と比べて数が少なく、定員も少数であることから、競争率が高いと言われている。
 次に、助産所だが、助産師が妊婦健診や、分娩の介助や妊産婦・新生児の保健指導を行う適法な施設のことで、先ほどの産後ケアも行う。産後ケアの実施は助産所が多いが、県内の分娩ができる助産所が14ヵ所、乳房マッサージなど保健指導で開業している助産所が29ヵ所しかなく、また神戸・阪神間に集中しており、全くない市町も多い状況である。
 そこで、少子化対策や、妊娠・出産から子育てまで切れ目のない支援を行う本県として、質の良い助産師と助産所の役割や存在は欠かすことができないと考えるが、地域の出産を支える助産師の確保と、資質向上、また活用への取組、そして助産所開設への支援をどのように行うのか伺う。
答弁者:参事(医療確保担当)兼医務課長
妊産婦の多様なニーズに対応し、妊娠から産後まで切れ目のない支援を行うため、質の良い助産師の育成と助産所の整備は重要であると認識している。
 このため県においては、一つには養成力の強化、二つには資質向上、三つには活用の場づくりに取り組んでいる。
 まず、養成力の強化として、助産師の魅力を伝える高校への出前授業や進学説明会などにより学生確保に努めている。また、助産師養成所に従事する専任教員の養成研修や実習指導者の講習会を開催し、指導力の向上を図っている。
 また、資質向上では、新人が基礎的な助産技術を修得する集合研修や、超音波検査や胎児モニタリング、育児指導技術など助産実践能力の向上に必要な研修を開催している。
 活用の場づくりについては、病院において助産師が妊婦の指導などを行う助産師外来を23ヵ所、またリスクの低い出産の分娩介助を行う院内助産所を4ヵ所整備している。
 さらにこれらの整備を促進するため、院内助産所開設に向けた研修や実習を開催するほか、施設設備の整備費の補助を実施している。また、地域における助産所の開設を支援するため、施設設備費を補助しており、これらの取組を踏まえて、県内助産所数は平成23年度末38ヵ所から平成27年度末は55ヵ所まで増加している。
 安心して子供を産み・育てる環境を整えるため、助産所には、産後ケアとしての役割も期待されることから、引き続き助産所の開設を支援するとともに、分娩介助から授乳・育児の指導、精神的な支援まで、幅広く対応できる人材の育成と活用を今後とも図っていく。
質問者:中野郁吾
看護師の確保も難しいという話がある中で、助産師を確保していくことは大変なことだと思うが、産後ケアを行うためには助産師と助産所の確保が欠かせないところであるので、頑張っていただきたい。先日、助産師と話す機会があり、産後ケアを行っているということでお話しすると、市町の問い合わせで、見てほしい人がいるという問い合わせがあったが、事情があるので泊まりで見てほしいということであった。そこの助産所が1人でやっているところであるので、宿泊となると難しいということで、苦しいけどもお断りしないといけない事情があったということである。助産師の確保をしっかりしていただき、支援を求めている方に対しての漏れがないように取り組んでいただきたいと思うので、よろしくお願いする。次の質問に移る。