1.平成29年度の財政状況についての審査
➃ふるさとひょうご寄附金について
質問者:中野郁吾
自己決定、自己責任の原則に基づく自主的な財政運営を展開するために県税収入や県営住宅使用料等税外収入の確保、適切な債権管理と効率的な回収、安定かつ低利な資金調達、ネーミングライツや広告料、ふるさと寄附金など自主財源を最大限に確保するとのことである。
 総務省のふるさと納税ポータルサイトを見ていると、ふるさと納税で地方創生というページがあり、そこには「ふるさと納税で日本を元気に!」。地方で生まれ育ち都会に出てきた方には、誰でもふるさとへ恩返ししたい思いがあるのではないか。育ててくれた、支えてくれた、一人前にしてくれた、ふるさとへ。都会で暮らすようになり、仕事に就き、納税し始めると、住んでいる自治体に納税することになる。税制を通じてふるさとへ貢献する仕組みができないか。そのような思いのもと、ふるさと納税は導入されたと記されている。
 さらに、ふるさと納税の三つの大きな意義として、第1に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととして捉える貴重な機会になる。
 第2に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になる。
 第3に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼び掛け、自治体間の競争が進むこと。それは、選んでもらうにふさわしい地域のあり方を改めて考えるきっかけへとつながるとある。
 しかし、現状は寄附金集めを巡る自治体間の競争が過熱し、寄附する側も損得の得ばかりを考える制度になってしまっており、本来の趣旨から大きく外れてしまい、意義とは真逆に突き進んでしまっている。こうした矛盾だらけの制度を総務省は間もなく見直すとのことである。
 一方、本県に目を向けると、ふるさとひょうご寄附金と銘打ち、県立学校環境充実応援プロジェクトや、芸術文化センター応援プロジェクト、ひょうご孫ギフトプロジェクトなど、まさに意義に沿ったものになっていると安心している。
 ただ、当局に確認すると、平成28年度の本県への寄附はこの1月末現在1億2,640万円ということで、昨年度の約5,000万円から倍増しているとのことであるが、県民税の控除額と比べると恐らく収支は大幅な赤字になるのではないかと推測している。
 そこで、まず、この1億2,640万円という金額は、目標に対してどの程度達成された数字なのか、また、340万円ほどは使途の指定がないということであるが、それは具体的にどのように有効に活用しようとしているのかお伺いする。
 また、制度が見直され健全なふるさと納税になることを前提に、本県として目標金額を達成し、計画されている事業が目標を達成できるよう、更なる寄附者の共感と賛同を得て寄附していただけるようにするのか併せてお伺いする。
答弁者:企画県民部総務課長
ふるさとひょうご寄附金については、従来から寄附者が使途を選択できるように対象事業を明確にしており、平成28年度は、新たに10事業を追加して、全体で15事業を対象に寄附を募っている。
 寄附総額の目標は設定していないが、今年度新たに追加した10事業については、それぞれ事業ごとの目標金額を設定しており、この1月末現在で県立学校環境充実応援プロジェクトなど6事業が既に目標を達成している。
 また、この10事業全体の寄附総額は約1億500万円となっており、10事業全体の目標額の合計である8,200万円を上回っている。
 さらに、その他の五つの継続事業があるが、全てを合わせた額は、指摘があったように約1億2,600万円に達している。昨年度の約5,000万円から大幅に増加しているといった状況である。
 また、使途の指定のない寄附についてである。ふるさとひょうご寄附金条例に基づいて、交流の促進等に資する事業に活用することとしている。平成27年度には、県庁南側にある県民オアシスの芝生広場を整備したところである。
 現在、国において、返礼品のあり方等について検討がなされているが、本県としては、従前から制度本来の趣旨を踏まえて、返礼品に頼ることなく、事業内容により寄附者の共感と賛同を得て寄附を募ってきた。この方針のもとで、平成29年度においても新たに県立美術館・博物館等応援プロジェクトなど2事業を募集することとしている。
 今後とも、地域創生や県民生活の向上の観点から、魅力ある事業の創設や既存事業の見直しに努めるとともに、県内外に積極的にPRするため、民間ウエブサイトを活用した情報発信の充実や関係団体との連携強化を図っていく。こうした取組によって、ふるさと兵庫を応援していただける方を増やしていきたいと考えているので、支援、指導をよろしくお願いする。
質問者:中野郁吾
兵庫県のメニューを見ると、本当に品があるなと思うので、今後も多くの人に共感を得られるようなメニューや取組をお願いする。
 質問を終わる。ありがとうございました。