1.平成29年度の財政状況についての審査
➂行財政構造改革について
(2)行財政構造改革の評価について
質問者:中野郁吾
それでは、次の2つ目、行財政構造改革の評価についてである。
 本県は、阪神・淡路大震災からの創造的復興を成し遂げるため、1兆3,000億円に上る震災関連県債の発行、4,000億円の基金の活用をしなければならないこと、また長引くデフレや三位一体の改革の影響により、厳しい行財政環境にあったことから、平成20年度に行財政構造改革の推進に関する条例を制定し、行財政全般にわたる改革に鋭意取り組んできた。そして、目標年度まで残すところあと2年となり、このたび、行財政構造改革推進方策の変更が上程され、収支均衡等の財政目標をより確実なものとし、今後、重点的に取り組むべき施策及び事業について取りまとめ、さらに平成31年度以降も収支均衡を継続するための不断の取組の姿勢を示されている。
 このたびの最終2カ年行財政構造改革推進方策の変更に当たり、議会として行財政構造改革調査特別委員会を設置し、10回の委員会等で各会派からさまざまな視点から意見が出され、調査・検討をした。会派により考えの違いはあるとは思うが、行革の目標を成し遂げ、地域創生により、よりよいひょうごを築いていくことには違いはなく、行革の目標はなし遂げてもらいたいと考えている。
 これまで行財政構造改革を進める中で、県民の皆さんに大きな負担もあったが、もちろん県職員の皆さんも定員の削減、これに関しては3割の削減目標を掲げ、平成28年度までの取組状況として、削減率は26.8%で全国1位の定員削減率である。人口10万人当たりの職員数は107.9人と全国43位で、業務の改善が図られたとは言え、必要最低限の体制の中でまさに少数精鋭で業務に当たられていると思う。
 次に、給与の抑制措置であるが、これまでの給与削減総額は800億円に上り、大きな痛みを伴いながら、知恵と工夫と努力により、選択と集中のもと、事務事業数を当初3,013事業から1,790事業へと41%減らし、446億円縮減させ、そのほか自主財源の確保への取組等の改革に取り組んできた。
 まだ、多額の震災関連県債が残り、基金の積み立て不足などの大きな課題があるとしても、私は、冒頭言ったが、2年前の議員になったばかりの時の予算特別委員会の中で、兵庫県の行財政の取組というのは思いのほか進んでいるなということを感じた。頑張っていると認識をそのときに改めたと述べたが、改めて職員の皆さんには敬意を表する次第である。
 一方で、そのときに私が認識を改めたときに感じた私自身の感覚をもとに、県行革が伝わっていないのではないかとそのときにも言った。そのときの答弁で、改革の取組を県民へ十分に周知することが必要で、そのための取組を行っているとのことであった。
 しかし、平成28年度の県民意識調査の県政の評価という項目の県政の合理的運営、いわゆる行政改革への努力では、よくやっていると答えた方が1.7%、まあまあやっているが13.6%で、合わせて、いわゆるやっていると感じている県民は15.3%となかなか辛口の調査結果が出ている。どのように評価しているのかお伺いする。
答弁者:新行政課長
行革の取組があまり県民に知られていないのではないかということについての評価についてお尋ねがあった。
 本県の行革については、先ほど委員案内のとおり、定員削減や給与の抑制措置など全国でも屈指の身を削る改革を行う一方、選択と集中を徹底することにより、できるだけ県民サービスを低下させないように取り組んできたことが本県の行革の特徴である。こうしたことが、行革の取組がなかなか県民に浸透しにくい一因ではないかというふうに考えている。
 しかしながら、委員指摘の県民意識調査で、行革への努力について、やっていると回答の割合が15.3%にとどまっている事実は真摯に受け止めなければならないとは考えている。
 これまでも、行革の取組を分かりやすく県民に伝えるために、県民だよりひょうごをはじめとする広報紙であるとか、フェイスブック、メールマガジンなど多様な広報媒体の活用、また、行革リーフレットをコンビニに置いていただくなどの取組をしてきたところである。
 さらに、先ほど委員も触れられたが、2年前の予算特委員会において、委員からもっと県民に周知する必要があるのではないかという指摘があった。これらも踏まえて、平成27年度より、県職員が県民の皆さんのもとに出向いて、行革の取組や財政状況などを説明する兵庫の行革出前講座を新たに実施するとともに、当講座の様子をひょうごチャンネルという動画サイトでも放映しているところである。
 今後、最終2カ年行革プランの取組に当たって、県民の理解と協力が得られるよう、一層の情報発信に努めていきたいと考えている。
質問者:中野郁吾
行革の評価というところであるが、もちろんこれは県民の皆さんに知っていただくことによって、職員さんがこれまで取り組んでこられた、これからも厳しい中やっていくという中でモチベーションには非常につながっていくとも思う。
 さらに、午前中の話でもちょっと意見として出ていたが、県民へのサービスも低下している部分があるという中で、やっぱり財政環境が厳しい、だから行革やっている、その行革の取組も全国屈指の取組をやっているということを県民の皆さんに知ってもらうことによって、ちょっとサービスが低下したが、しっかり取り組まれてるんだなということで納得に至らないまでも、理解を得ることにつながるのかもしれないなとは思う。
 また、行革をしっかりやっているということを県民の皆さんが知ることによって、税の思いというか、納税することとか、そういった意識も高まってくると思う。引き続き県民の皆さんにも知ってもらえる取組もしっかりと行ってもらうようにお願いする。
 最後の質問に移る。