1.平成29年度の財政状況についての審査
➁地方交付税の算定について
質問者:中野郁吾
地方交付税算定についてである。
 経済財政運営と改革の基本方針2015、いわゆる骨太方針2015に基づき、歳出効率化に向けた業務改革で他団体のモデルとなるようなものを地方交付税の基準財政需要額の算定に反映する取組を推進するとして、地方行政サービス改革に係る調査によって把握することとしている地方団体の業務改革のうち、単位費用に計上されている全ての業務について、トップランナー方式の検討対象とし、このうち16業務については今年度から始まっている。残る業務については、平成29年度以降に可能なものから導入していくとのことである。
 離島や過疎の進むような条件不利地域などでは、一律の行政コスト比較はなじまないとして、他県では消極的な意見が出ているように聞いている。
 そこで、トップランナー方式導入による本県への影響はどのようになっているか。また今後導入予定の業務が受けるであろう影響と併せて、お伺いする。
答弁者:財政課長
地方交付税の算定についてのお尋ねである。
 トップランナー方式は、平成28年度の地方交付税算定から段階的に導入されている。平成28年度は、本庁舎清掃業務の民間委託や体育館管理業務への指定管理者制度の導入、また、庶務業務の集約化など16業務で、うち都道府県分は11業務が対象となっている。
 本県においては、トップランナー方式の算定基礎となっている本庁舎清掃業務や受付・案内業務の民間委託、体育館や競技場、公園等の管理業務への指定管理者制度の導入、総務事務システムの導入による庶務業務の集約化などの業務改革を既に行っているので、地方交付税算定上の基準財政需要額において、所要額と同程度が措置されているものと考えている。
 また、平成29年度においては、青少年教育施設管理業への指定管理者制度の導入、公立大学の地方独立行政法人化の2業務が追加される予定となっている。
 現時点においては、平成29年度における経費水準の見直し内容が国から示されていないので、その具体的な影響を算出することはできないが、本県では、2業務ともに既に業務改革を行っているので、そういう意味で大きな影響は生じないだろうと考えている。
 いずれにしても、地方交付税は地方固有の財源であるので、国の政策誘導による増減は行うべきではないと考えている。
 また、地方交付税の算定に当たっては、財源保障機能の観点から標準的な団体を基本とすべきである。地方の実情に応じた歳出削減努力を評価しない形でのトップランナー方式については見直すとともに、その拡大は厳に慎むべきであると考えており、従来から国に対しても働き掛けを行っているところである。理解のほどよろしくお願いする。
質問者:中野郁吾
本県の取組はある意味トップランナーを行っているのではないかなという気もする。
 交付税の算定は、普通交付税は基準財政需要額から基準財政収入額を引いたものであるということで、平成27年度の数字であるが、基準財政需要額が45.1兆円、その基準財政需要額は、測定単位掛ける単位費用掛ける補正係数という形で出されているとは思うが、このトップランナー方式というのは単位費用を下げていこうという動きであると思う。
 国においていうと、その前の測定単位、これは人口を直接測定単位とするものが、平成27年度ベースでいうと20.9兆円ということで、全体の基準財政需要額のうちの46%を超えている。また、その人口に準じると考えられる事項を単位測定とするものの方が9.1兆円、20.1%、合わせて65%ほどが人口減少の影響も受けていくということである。将来的にも今後厳しい状況というのはまだまだ続いていくのかなと思う。そういったものにも対応できるように、しっかりとした取組をお願いする。
 先ほどの国の骨太の方針であるが、歳出改革等、着実に実行して、ワイズスペンディングを徹底するように、賢い支出をするということで地方に求めてきている。先ほど財政課長がおっしゃったように、結構取り組んでいて、前へ進んでいるということなので、僕としては、国の方ももっと人員削減をばさっとやってほしいなと思う。引き続き、しっかりと取組をよろしくお願いする。