7.農政環境部についての審査
①低公害車等の導入促進について
(2)燃料電池車の普及促進について
質問者:中野郁吾
今のご答弁にもあったように、日進月歩で技術は向上し、燃料電池自動車というものが新しく出てきたとのことで、引き続いて、燃料電池車の普及促進についてお伺いしたいと思う。
 低公害車導入補助事業の対象に燃料電池車が新たに追加されたとのことであるが、昨年12月にトヨタ自動車が、量産型燃料電池車としては世界初となる市販車「MIRAI」を発売したことは、国内外でも大きく報道され、発売から1ヵ月で、年間目標販売台数の4倍となる約1,500台を受注したとのことである。
 燃料電池自動車は、走行時には水のみを排出し、大気汚染物質である窒素酸化物や粒子状物質に加え、炭酸ガスも排出しない究極のクリーン自動車と言われている。
 昨年4月策定の国のエネルギー基本計画において「水素社会の実現」が掲げられ、6月には「水素・燃料電池ロードマップ」が発表されるなど、水素は将来の有力なエネルギーとしても期待されている。
 県では、「兵庫県燃料電池自動車普及促進ビジョン」を策定し、その普及に努めることとされている。
 普及の鍵となる燃料電池自動車のガソリンスタンドに当たる水素ステーションは、昨年7月、尼崎市に国内初の商用ステーションがオープンして以来、現時点で開業しているステーションは全国で11ヵ所に留まるなど、燃料電池車導入に向けた機運の盛り上がりとは対照的に、まだまだの感がある。
 そこで、燃料電池車の普及促進にどのように取り組んでいこうとされているのか。また、普及に向けた課題の認識も含め、ご所見をお伺いする。
答弁者:水大気課長
燃料電池自動車は、ガソリン車より高価格なことや、商用ステーションが、現在、近畿圏内には1ヵ所しかないことなどハード面の課題に加えて、「水素は爆発しそうで怖い」といった水素エネルギーの認知度の低さなど、普及に当たって解決が必要な課題がある。
 このため県では、昨年7月に、委員ご指摘のとおり「兵庫県燃料電池自動車普及促進ビジョン」を策定したが、水素ステーションの設置者が国の補助金を利用できる環境を整え、また、ビジョンに基づき燃料電池自動車や水素そのものについての正しい知識の普及を図るため、市町や事業者の取り組みと連携し、「ふれあいの祭典」などのイベントで低公害車を展示するなどすることにより、啓発に取り組んでいる。
 また、導入補助であるとか、融資制度に燃料電池自動車を対象に加えて拡充するほか、国に対しても、インフラ整備のための財政支援や技術開発等に更なる支援策を講じるよう引き続き働き掛けていく。
 今後も、技術開発動向等を注視しながら、環境負荷の少ない低公害車の普及を図っていきたいと考えている。どうぞよろしくお願いする。
質問者:中野郁吾
更なる燃料電池車の普及に向けて、燃料電池車の「MIRAI」は、首相官邸や経済産業省、国土交通省、環境省に公用車として導入されたのをはじめ、福岡県や熊本県、愛知県など全国で導入の動きがあり、今月には、神戸市でも関西で初めて公用車に導入する予定となっている。
 また、燃料電池車普及の旗振り役としての取り組みが期待されているが、本県では、これまでもハイブリッド車を知事が市内公用車として率先して導入したり、電気自動車を公用車として実証的に利用するとともに、イベントなどを通じて地域における電気自動車の普及啓発を図るといった取り組みを実施してこられた。
 燃料電池車においても、県として、その導入検討も含め、機会を見て取り組みを進めていただきたいと思う。
 次の質問に入っていきたいと思う。