6.公安委員会についての審査
①高齢者の交通事故防止対策について
(1)歩行者等への対策について
質問者:中野郁吾
早速質問に入りたいと思う。
 進みゆく高齢化社会、そして超高齢化社会と入っていく中で、本日は高齢者の交通事故防止対策についてお伺いしたいと思う。
 まず1点目、歩行者等への対策についてお伺いする。
 昨年11月、県内で交通死亡事故が多発したことを受け、県は11月17日から26日までの10日間、7年ぶりとなる交通死亡事故多発警報を発令する非常事態となった。これを受け、県警として、交通指導取り締まりや交通監視活動などの交通事故抑止対策を強力に推進された結果、昨年12月には19人、本年1月には17人と、いずれも前年と変わらなかったものの、交通死亡事故の増加傾向には一応の歯どめがかかったものと認識している。
 しかしながら、高齢者の交通死亡事故に限ってみれば、平成22年に49.5%であった交通事故死者総数に占める高齢者の割合は、昨年には56.6%と7.1ポイント増加した。昨年の交通事故死者数は、前年より5人少ない182人であったが、そのうち高齢者の死者数は全国ワースト2位となる103人と全死者の過半数を占めている。まさに、こちらも非常事態であるといえると思う。
 県警では、高齢者の交通死亡事故対策として、高齢者交通安全教育隊による交通安全教室の開催や交通安全教室等に参加されない高齢者宅への訪問を実施するなど、高齢者の交通安全対策を推進されていると思うが、これらを含め、今後高齢者が被害者とならないように、どのような対策を推進されるのか、所見を伺う。
答弁者:交通部長
委員ご指摘のとおり、昨年の全交通事故死者数に占める高齢者の割合は56.6%で、65歳以上を高齢者として統計を取り始めた昭和61年以降最も高くなっており、本年2月末においても、既に21名の高齢者が亡くなられ、全死者数に占める割合は61.8%と、更に高くなっている。
 県警察では、これまでも高齢者対策を最重点課題と捉え、歩行者教育システム等を活用した参加・体験・実践型の交通安全教育や、高齢者宅を訪問して交通安全指導を行う、ホッと・あんしん訪問活動のほか、高齢者の利用頻度が高い商業施設等における待ち受け型の交通安全教室、街頭で高齢歩行者や自転車利用者に直接反射材を貼付する活動などを推進してきたところである。
 さらに、このたび交通関係団体のご協力をいただき、高齢歩行者に対して安全な道路横断を呼び掛けるポスターを作成し、県下の路線バスの車内に掲示するなど、関係機関、団体と連携した広報啓発活動にも取り組んでいる。今後もこれら高齢者対策を地道に継続し、推進していくとともに、郵便局、医療機関、宅配業者など、高齢者が頻繁に利用されている事業所等と緊密に連携した高齢者に対する声掛けや、広報啓発の強化など、創意工夫を凝らした各種対策を推進していく。
 また、高齢者以外の世代に社会全体で高齢者を守るという気運を醸成するため、三世代交通安全教室や企業講習の場を活用して、加齢に伴う身体機能の低下といった高齢者の特性や特有の交通行動等の周知を図り、高齢者の方々が安心・安全を実感していただくことができる交通社会の構築に努めていきたいと考えている。
質問者:中野郁吾
 61.8%と非常に高くなっていて、大変危惧するところではあるけれども、対策としては、やはり地道にやっていくしかないのだろうなとは思われるので、大変かとは思うが、これからもしっかりと対策お願いする。