5.産業労働部・労働委員会についての審査
①ひょうご若者就労支援プログラムについて
(1)研修の対象者等について
質問者:中野郁吾
維新の党の中野である。小さい会社であるが経営をしており、いい人材が欲しいと思うことがよくある。私だけではなく、知り合いの同業種や他業種の経営者からも、若いよい人材がいないか、聞かれることが多い。来年度予算を見ていると、新規分野のひょうご若者就労支援プログラムを魅力的に感じ、詳しく知りたいと思ったのでお伺いする。
 まず一つ目、研修の対象者等について伺う。
 新卒者の一括採用は、明治時代にその原型が形づくられ、長期雇用、年功序列、企業内組合という日本的経営の三種の神器とともに、戦後の高度成長、日本経済の発展を支えるエンジンとして機能してきたと言われている。リーマンショック以降の景気低迷による学卒未就業者の急増や就職活動の長期化・早期化が大学生の学業の機会を阻害しているという指摘などの影響から、この日本特有の新卒一括採用方式を疑問視する声も高まってきてはいるが、依然として企業は各社横並びでの採用活動、学生にとっての就職活動となっている。
 そのような中、今月1日、来年の春に卒業予定の大学生の就職活動が解禁された。経団連が定めた新しいルールで、会社説明会の解禁がこれまでの、3年生の12月から3ヵ月間繰り下げられ、学生にとっては短期決戦となるものの、現下の景況感から企業の採用意欲は高いと聞いている。
 一方で、就職情報誌が企業を対象に実施した調査によれば、卒業後3年以内の既卒者を新卒枠で採用した企業は1割強にとどまり、既卒の新卒枠での応募を受け付けていない企業も3割強に及ぶとのことである。既卒者にとっては依然として厳しい状況には変わりないものと思われる。このたび、新規事業として、学卒未就労者等の就職活動を支援するため、企業面接準備研修や就労体験を通じて県内製造業・中小企業などの魅力を伝え、正規雇用につなげる実習などを実施する、ひょうご若者就労支援プログラムが提案されている。
 学卒未就労者等を対象に、社会人基礎研修を1ヵ月、職場研修を3ヵ月実施した上で、プログラム終了後、実習生と研修先企業の双方の合意によって採用につなげるとのことであるが、潜在化している人材を発掘するよい機会で、また面接などだけで判断するよりも、その人材の資質を深く把握した上で雇用に結びつき、また雇われる側もその企業の環境や魅力を十分に知った上で就労できて、双方に非常にメリットがある事業だと思う。
 そこで、本プログラムの具体的な支援内容について伺うとともに、何名の学卒未就業者を対象にしているのか。また、何社程度の実習先を想定されているか、また、その選定方法について伺いたい。
答弁者:しごと支援課長
ご指摘のとおり、日本では新規学卒者の一括採用が基本となっており、学生の期間で就職が決まらなかった場合に、新規学卒者に比べて厳しい就職活動を強いられるという現状がある。その結果として、不本意な非正規雇用やフリーター、ニートなどにつながってしまう場合があるものと認識している。
 このため、学卒未就職者の方々の早期の就職活動を支援するため、本プログラムでは、研修や就職活動に集中して取り組めるよう、研修の1ヵ月間については、県が賃金を負担した上で、安心をして取り組んでいただき、就職支援会社に委託して、就職先や実習先の企業を探すこととしている。
 来年度は、学卒未就職者の150名を対象とする予定であるが、職場実習先については、基本的に修了後も継続して雇用していただくことを前提としているため、1社当たり1名ないし2名で、集中的に行っていただくことを想定している。
 実習先としては、もちろん参加者本人の希望や適性を踏まえた上ではあるが、高い技術を持っているが知名度が低いといったような県内のものづくり企業等を中心に、マッチングを進めていきたいと考えている。
質問者:中野郁吾
しっかりと見きわめた上だと思うが、1社当たり1名から2名では、お互い、よい就職に結びつくのかと思う。次の質問に移る。