3.企画県民部②についての審査
②朝鮮学校に対する補助金について
質問者:中野郁吾
続いて、朝鮮学校に対する補助金についてお伺いする。
 昨年5月、北朝鮮は特別調査委員会を立ち上げ、拉致被害者と拉致された疑いのある特定失踪者の調査などを開始することで合意し、我が国は北朝鮮に対する独自の制裁措置の一部を解除したが、当該調査は遅々として進まず、北朝鮮側の誠実度が問われている。
 そのような中、北朝鮮は一昨日朝、日本海に向けて短距離弾道ミサイルを発射した。政府は北朝鮮側に抗議したとのことだが、今後の交渉の行方も含め、予断を許さない状況であると言える。
 北朝鮮の問題に関しては、これまで本県議会の本会議や委員会等、いろいろな場面において、朝鮮学校に対する補助金の支出に関する質問がなされてきたことは承知している。県では、朝鮮学校を含む外国人学校に対し、外国人学校振興費補助を行っており、来年度予算にも計上されている。とりわけ朝鮮学校への補助金について県の立場は、北朝鮮国家と在日の朝鮮学校で学んでいる子供たちとは切り離して考えるべきと、知事も以前本会議の答弁で述べられている。子供には罪はないということには私も同感である。
 その一方で、依然として日本に対する敵視教育をしているとも言われる朝鮮学校に対し、今年度から減額されたとはいえ、全国の自治体で一番多額の補助金を県民の税金から支出することの是非は、やはり検討されるべきであると思う。朝鮮学校への補助に反対すると、生徒の学ぶ権利を奪うことになるとか民族差別を助長するというご批判もあるが、県民感情としてもはっきりさせておくべきだと思う。そこで、来年度予算案における朝鮮学校に対する補助金の計上額と、その考え方について、当局の所見をお伺いする。
答弁者:私学教育課長
朝鮮学校を含む外国人学校については、一つには日本の小学校、中学校、高等学校等と同学齢の児童・生徒等が学んでいること、また二つには国公私立大学等において、卒業生を個別の入学資格審査により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めていること、また三つ目には高校総体等へ参加するなど、スポーツや文化面においても高等学校等と同様の活動を行っていることから、従来から私立学校に準じた支援を実施している。
 一方で、平成26年度から外国人学校においては、児童・生徒等が確立された国際標準、あるいは日本の教育課程に準じた内容を学ぶことが必要と考え、そうでない場合は補助金を減額することとしている。
 こうした中、朝鮮学校については国際的に実績のある学校評価団体の認証を受けているものでもなく、また、全ての主要教科で日本の検定教科書を使用するものでもないため、平成27年度は前年度と同様に減額することとして、見直し前の平成25年度の予算額と比べ約2,300万円減の約9,400万円を予算計上しているところである。
質問者:中野郁吾
これまで兵庫県においては1億円を超える補助がなされていた中で、9,400万円という1億円を切ったことも何か納得しないところはあるが、今後とも更に検討されることをお願い申し上げる。
 この朝鮮学校の補助に対して何が問題かといえば、そこで学ぶ生徒の方が悪いとかその国の方が悪いという訳ではない。私の友人や親しい人でも朝鮮学校を卒業された方もいる。何が問題かといえば、その授業の中身であるとか、あと問題のある指導者を仰ぐような教育がなされているということが問題だと思う。
 例えば神奈川県では、朝鮮学校で拉致問題の授業について日本の高校に当たる高級部で行われており、実際の授業を職員が参観し、適正な授業が行われているかを確認している。副教材や視聴覚教材として映画「めぐみ」を使った授業を実施しているとのことである。また教科書の改訂の際に、日本の小学校に当たる初級部の教科書から高校に当たる高級部の授業で使用される現代朝鮮歴史の教科書に至るまで拉致問題の記述をしていくといったことだが、兵庫県においてはどのような取り組みがあるのかお聞かせ願いたい。
答弁者:私学教育課長
外国人学校の現地調査について、本県においてはいわゆる補助金の執行状況の確認に現地調査を行っているところである。具体的には補助金に伴う実績報告書と決算書の額に、あるいは運営状況、理事会等が適切に開催されているか、さらには校舎が教育にきちんと使われているかといったことを適宜適切に執行状況を確認しているところである。
質問者:中野郁吾
 ご答弁の中では、その内容について詳しく触れてなかったと思うが、その授業内容についての検討というのはないのか。
答弁者:私学教育課長
授業内容については、先ほど申した執行状況確認の現地調査において、授業を見させていただくことはしている。ただ、この教育内容の確認について、その補助金について踏み込んだ検討ということは現在のところしていないので、補助金の確認に現地調査を行っているところである。
質問者:中野郁吾
先ほど言ったように、神奈川では朝鮮学校の授業において拉致問題についてのことを行っているとのことだが、兵庫県では授業で取り上げてくれといったことはしないのか。
答弁者:私学教育課長
教育内容については、朝鮮学校も含め外国人学校全てにおいて、それぞれ学校が持つ民族教育であるとか、そういったことがなされていると聞いており、その内容については特段踏み込むものではないと考えているところである。
質問者:中野郁吾
 時間のこともあるので、私個人の意見としては、お金を出している以上、やはりもっと踏み込んで、さまざまな日本における問題も取り上げていただきたいと思う。私の質問を終わる。ありがとうございました。