2.企画県民部①についての審査
①兵庫県立ピッコロ劇団の活動について
(1)劇団設置の意義について
質問者:中野郁吾
兵庫県立ピッコロ劇団の活動について質問する。
 まず、劇団設置の意義について尋ねる。今年は、阪神・淡路大震災から20年、節目の年であるが、県立ピッコロ劇団も昨年設立20年を迎えたとのことである。全国初の県立劇団として設立して9ヵ月後に震災が発生し、被災地の中での活動にはいろいろと大変な苦労もあったと推察される。
 しかし、当時、被災地の子供たちを励まそうと避難所で芝居をした活動が原点となり、このたびの東日本大震災でも現地での俳優の方々との交流によるステージへとつながって、被災地に元気を届けたと聞いている。
 一方で、厳しい財政状況において全国的に行革の取り組みが進む中、芸術文化の分野は数値的な行政事業評価が難しいことから、往々にして厳しい目が向けられることもあり、劇場、劇団、人材育成という3点セットで取り組む本県においても、ピッコロシアターという箱物だけでなく、公立の劇団までも県として持ち続けることの必要性も今後問われることもあるかもしれない。
 そこで、設立から20年、これまでの劇団の取り組み、果たしてきた役割について当局の所見を伺うとともに、今後も県として保有していく意義について伺う。
答弁者:芸術文化課長
県立ピッコロ劇団は、優れた舞台芸術の鑑賞機会の提供や青少年を中心とした教育普及活動、また、幅広い年代層を対象とした人材育成などを目的に平成6年に設立され、県民への演劇文化の普及に取り組んできた。
 具体的な活動としては、一つには年3回、約20回の定期公演や親子で楽しめるファミリー公演の開催、また二つには、小学校への出前公演や中学生に本物の演劇を体験させるピッコロわくわくステージ、また三つには、高校や大学での演劇指導や社会人向けの演劇の手法を用いたコミュニケーション能力向上研修などを実施している。
 また、質問にもあったが、平成7年の阪神・淡路大震災の際には、64ヵ所で被災者激励活動を行うなど、県内の被災地に生きる希望と勇気を与えた。この経験を生かして、東日本大震災の際には、いち早く被災地に駆けつけ、子供を対象にした演劇体験ワークショップを開催するとともに、その後も東北との演劇交流を続け、昨年には、仙台市といわき市で「ひょうご・東北交流公演」を開催するなど、阪神・淡路大震災の支援への感謝と東北復興への願いを込めた交流事業を続けている。
 こうしたピッコロ劇団の活動は、県立劇団であるからこそ実現できたものであり、それが存在意義であると考えている。20周年を迎え、今後ともピッコロ劇団の存在意義を積極的に発信するとともに、運営の一層の効率化・合理化を推進し、県民の期待に応える県立劇団として、演劇文化の裾野拡大や人材育成等を通じて、本県の芸術文化の振興に貢献していきたい。よろしくお願いする。
質問者:中野郁吾
さらに、日本中、世界中に向けて活動し、さまざまな人に元気を与えていただきたいと思う。