1.平成27年度の財政状況についての審査
④選択と集中について
質問者:中野郁吾
 次に、選択と集中について伺う。
 依然として財政環境が厳しい中にあっても、行革の着実な取り組みのもと、県民ニーズを踏まえた前向きの予算を編成するためには、今まで以上にめり張りのある事業の見直し、つまりは知事が提案説明でも言われていたスクラップ・アンド・ビルドでの整理が不可欠なものと考える。
 来年度に向けて、どのように事務事業のスクラップ・アンド・ビルドが行われたのか、資料をいただき確認したところ、181の事業が廃止、統合され、新たに80の事業が新規事業となった。
 昨年度は、廃止事業205、新規事業97、一昨年度は、廃止事業192、新規事業81と、毎年度、廃止事業が新規事業の2倍といったバランスが続いている。
 廃止事業181から新規事業80を引くと、単純計算で100件近くの事業が削減されたことになり、この数字だけを見れば、事業見直しの成果が出ているようにも見える。金額べ一スでも廃止・統合事業が約16億円、新規事業が約10億円と6億円の削減効果が見られる。
 ところが、見直しの理由を見てみると、事務の見直しによる廃止が49事業、再編や統合によって廃止された事業が56事業となっている一方で、単年度事業や事業期間満了による廃止が76事業もある。このように廃止・統合したとされている事業の約2分の1は、積極的廃止というよりも自然減であり、全てを本来のスクラップ・アンド・ビルドとは様相が異なっているのではないだろうか。
 恐らく来年度の新規事業80件の中にも、もう来年度には廃止事業となることが約束されているものもあると思われる。
 スクラップ・アンド・ビルドの考えで、新規事業と廃止事業を並べる打ち出し方も削減効果を計る一つの手法であることは理解するが、ぜい肉を削る、無駄を省くといった観点から継続事業についても、選択と集中の視点での事業費べ一スの効果が求められるものと思う。  継続事業についての削減効果について、所見を伺う。
答弁者:財政課長
事務事業の選択と集中である。
 事務事業については、選択と集中の徹底により、毎年度ゼロベースで見直しをしている。
 ご案内の平成27年度の事務事業数は1,885事業で、これは行革が始まる前、平成19年度で3,013事業あった。実に1,128、約37%の事業の廃止に努めている。また、平成26年度と比較して181の事業の廃止となっている。この181事業の廃止については、統合再編や見直しによるものが新規事業数以上の105事業、約6割を占めている。また、ややもすれば漫然と事業継続のおそれがある中で、事業期間を設定して終了するということは極めて重要なことである。毎年度、予算編成の中できちんと事業期間の検討もしている。
 これらによって、全体として101事業の純減につながっているので、スクラップ・アンド・ビルドが徹底されたものではないかと考える。
 ご指摘の継続事業については、第3次行革プランに基づき、一般事業費を平成30年度まで毎年1割を削減する歳出対策を行っている。行革の実施計画にも記載をしているので、後ほどごらんいただくが、平成27年度の削減効果として、一般財源ベースで約8億円を織り込んでいる。
 引き続き選択と集中を徹底し、継続事業の見直しと新規事業の重点化を図っていく。
質問者:中野郁吾
それでは、引き続き実のある効果的な見直しを徹底的に行っていただくようお願いする。