1.平成27年度の財政状況についての審査
①行財政構造改革の取組について
質問者:中野郁吾
一つ目に、行財政構造改革の取り組みについて尋ねる。
 第3次行革プランにより、平成30年度には収支均衡を実現するとの見通しで、県債発行高も年々減少傾向になっているが、県債残高は4兆6,801億円と依然として多額に上っている。また、本県特有の課題として、4,851億円という災関連県債が大きくのし掛かっている。実質公債費比率や将来負担比率などの財政指標は徐々に改善しているが、少子・高齢化、人口減少が進む中、社会保障費もこの先更に膨らんでいくと思われる。
 今までは数人でお年寄りを騎馬戦型で支えていたが、これからは肩車式で支えなければならない。一人ひとりに更に大きな借金がのし掛かってくる。こんなことでは将来を担う世代が夢を持って人生を歩むことができにくくなるのではないだろうか。そうならないために、厳しい状況下で精いっぱい行財政構造改革に取り組んでいると認識しているが、将来の世代のためにも、もう少し我々の世代で負担を負い、ツケを回さないように、更に踏み込んだ改革をするべきである。
 私には1歳の子供がいるが、自分の子供ができて目の中に入れても痛くない、そういった言葉を痛感するほどかわいく思っている。多くの方々が同様に、お子さんやお孫さんを愛してやまないことだと思う。
 次の世代に大きなツケを回さないように負担を減らしていかなくてはならない。そのためにもすぐにでも我々が負担をもう少し負っていくことで大きな負担を先送りしないようにしていきたいと思う。未来への責任をしっかりと果たしていかなければならない。
 そこで、これまでの行財政構造改革の取り組みについて、どのように評価しているのか、また、今後の取り組みについて伺う。
答弁者:新行政課長
阪神・淡路大震災からの復旧・復興に当たり、先ほどの質問にもあったが、本県は約1兆3,000億円に上る県債の発行と、4,000億円を超える県債管理基金の活用を行った。
 震災関連県債に係る公債費は今も600億円を超え、他府県にはない特別の負担となっている。このため、平成20年度の新行革プラン策定以来、収支均衡の実現をはじめ、県債残高や県債管理基金積立不足率の縮減など、30年度までの財政運営の目標を掲げて改革に取り組んできた。これらの取り組みが、とりもなおさず、ご指摘の将来世代に負担を回さない財政構造を確立するための取り組みでもあると考える。
 平成20年度以降、111あった県民局事務所を71事務所に統合再編し、一般行政部門の定員もこの27年4月1日時点では2,122人、率にして25.6%削減する見込みである。
 また、事務事業は約2,200事業の廃止と約1,100の新規事業の実施など、選択と集中を徹底し、さらに公社等は、統廃合による5団体の削減などを行ってきた。
 これらの取り組みにより、収支不足額は平成19年度の1,280億円から27年度の当初予算案ベースでは430億円となるほか、県債残高や県債管理基金積立不足率なども着実に改善してきている。
 今後、社会保障関係経費の増加が見込まれる。また地震、津波対策や土砂災害対策などの防災対策や地域創生等の諸課題に対応していく必要がある。このため、引き続き行財政全般にわたる改革を徹底することにより、第3次行革プランに掲げた財政運営目標の達成を図り、持続可能な行財政構造を確立していきたい。
質問者:中野
しっかりと改革に取り組まれているということで、我々維新の党は身を切る改革を強く訴えているので、我々議員の立場も含めて、更に踏み込んだ改革が進むことを期待している。
 それと同時に、私はほんの数週間前まで、行政とはほとんど縁がない一県民であった。維新の党内で勉強する中で、大阪府に比べ、全然進んでいないと認識していた次第であるが、議員になってこのたびいろいろと勉強していき、それと、先ほどのご答弁を伺い、思いのほか進んでいるな、頑張っているなと認識を改めたところである。
 県民に一番近いと言える、私のこの体験は、つまりは県民に県行革が伝わっていないことのあかしとも言えるのではないか。
 行革の取り組みを県民に伝える必要性について、県当局の考えを伺う。
答弁者:新行政課長
県民に情報が伝わっていないという厳しいご指摘である。
 行財政構造改革の取り組みの推進に当たっては、県民の理解と協力を得ながら進めることが不可欠であり、改革の取り組みを県民へ十分に周知する必要があると我々も考える。
 このため、これまでから、「県民だよりひょうご」「ひょうごEYE」という県の広報紙やテレビなど多様な媒体を活用して、行革プランの内容を分かりやすく情報発信するとともに、今年度からは、新たに行革のリーフレットを作成し、コンビニエンスストア等のご協力もいただき、コンビニのラックに置くといった取り組みも行っている。
 また、毎年度の行革の取り組みについて、行革審議会や県民会議に諮りつつ、毎年度、ホームページで公表している。
 こうした取り組みにより、引き続き県民の理解と協力を求め、第3次行革プランの着実な推進を図っていく。
質問者:中野
多くの県民の皆さんにこのような取り組みをしていただき、職員さんの働きをよく知ってもらうことは、職員さんのモチベーションアップにつながる。そして、今後の改善によい影響を与えることと思うので、県民の皆さんがもっと県政に対して身近に感じてもらえるような取り組みを期待している。